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鎌美幽子/ Lv.444 サイズ・オブ・デス

あの子はとても良い子でした。勉強熱心で、友達もたくさん居て。家に帰ると、いつも家事を手伝ってくれて。 そんなあの子がもう、帰らないなんて。今でも信じられません。 あの子はいつも言っていました。いつか私たちも居なくなるのなら、思い出はいっぱい作らないとね、って。どこで覚えたのか時々、神妙なことを言うんです。趣味のお寺巡りを始めて、手を合わせるようになってからはなおさら。 その矢先、でした…。でも時々、家の中であの子の気配を感じるんです。あの子はこうも言っていました。 故人は決して沈黙してはいないよ。遺された家族が故人を忘れない限り、その心に生きているんだよ、と───