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【死にたくても死ねない。絶望の少女】ミル

私が4歳の頃、私は捨てられた。いや、多分もっと前のときから私は捨てられていた。 ずっとずっと暗い空間の中で過ごして、孤独で、でも不思議と不快感は無かった。 お腹も常に満腹で、幸せと言ったら幸せだった。 でも、退屈ではあった。真暗な空間の中、本やゲーム等は当然無かった。 私は一人、魔法というのを誰からも教わらずに発動させた。 この頃から、魔法を毎日のように発動していた。 時には、一日中発動させていることもあった。 それほどまでに私の中で魔法というものは大いなる暇つぶしだった。 そんな時、黒い空間が割れた。 そうして、私は初めて外の世界を見たと同時に、幸せが失われた瞬間だった。 私は強引に大きな手に引っ張られた。 「痛い!」 私は産まれて初めて、痛みを味わった。痛みがこんなにも苦しいものだとは思っても居なかった。 大きな男は私の小さな手を強引に引っ張り、その力に私は恐怖すら覚えた。 私は咄嗟に魔法を発動しようとしたが、何故か魔力の流れを感じ取れなかった。 いや、感じ取れないと言うよりいつの間にか首に付けられた何かによって魔力が吸い出されているようだった。 暫く歩き、私は疲れ果てていると、薄暗く血なまぐさい小屋に入れられた。 私は男に謎の椅子に縛り付けられ、まず初めに、ご飯を食べさせられた。 なにかされると思って居たが、男は意外にも、私には何もしてこなかった。 しかし、小屋の中は他にも居るのであろう私以外の子の泣きわめく声が響き私は恐怖に染まった。 その日、私は眠ることはできなかった。 朝になると男がご飯を私や他の子に食べさせた。 ベチャベチャしていてとても食えたもんじゃない。 私は苦言を吐き捨てたが、男は無視して私の口の中に突っ込んだ。 男が離れて行くと次第に、他の子の泣き喚く声が再び聞こえた。 どんな事をしているかは想像がつかないが、きっととても悲惨な事になっているのだろう。 その声は2時間くらい続いた。そうして、男は次に私の前に現れた。 男は私に拳を繰り出し、殴打を2時間続けた。 痛いけど、そんな泣き喚くほどでは無かった。だけども、やはり私はシクシクと泣いてしまった。 次の日の朝、私はいつの間にか泣きつかれて寝てしまっていた。 やはりベチャベチャしたご飯を口に突っ込まれ、今日も殴打を幾度となく、くらった。 そして、時が経つごとに拷問は激しく、痛々しくなっていった。 初めは殴る蹴るだったのが、今じゃ爪を剥がされたり皮を剥がされたりされている。 私はその痛みに耐えることはできず、毎回泣き叫んでいた。 そんな生活が六年くらいした頃、新しい子がこの小屋に入ってきた。 私は用済みと言われる様に首を締められた。 死ぬ恐怖に怯えた私は、個人スキルを発現させた。 何度でも回復、再生し外的要因では決して死ぬことのない個人スキルを発現させてしまった。 男は暫くその事に気づかず、首を締め続けた。しかし、私は一向に死ぬ気配は無かった。 男は今度は確実に殺せるようにと私の首を斬った。 しかし、私は再び再生し、生き返った。 男はこの時、私の個人スキルの発動について気づいてしまった。 男は興味を持ったのか、実験かのように私の四肢を何度も切り離し、目玉をくり抜いたり、内臓を引きずり出したり、心臓を潰したりした。 しかし、私は死ぬことは無かった。何度でも蘇ってしまった。 男は死なない私の事を気に入ったのか、他の子には見向きもせずただ私に残虐な行為を続けた。 時には脳をぐちゃぐちゃにされた、時には首をボキボキにされ720°回転させられた。 声なんてもう枯れ果てていて、涙も出なくなっていた。 そんな、生活が三年も続いた。私はあの忌まわしき小屋から脱出することができた。 連れられた子供を探し回っていた両親が遂にここの小屋の存在を知り、警察と共にやってきたのだ。 その時に私は解放された。 私は人間がトラウマになっていた。森で住まい、狩りもせず、ひたすら寝ては起きて偶に散歩などをしていた。 そして、大好きだった魔法も放ってみせた。 時々、人間がこの森にやってくる。私は人間と遭遇した時は、怯えながらも、攻撃し何人も土に還らせて見せた。 人々は私を【絶望の魔女】と恐れた。