【この項目は書きかけの項目です】 《ハクメイ》 大勇者魔王時代に活躍した勇者。安眠と世界を守りし日の出の勇者(神)。 5大勇者の一人。安眠と日の出の勇者とされる。 カーナカタ大陸の出身の胎内型勇者覚醒者である。大陸の平和の構築に多大な貢献を成した勇者であったが、全世界勇者連合体(World Federation of Braves:WFB)に認知されていなかったことや実際の活動期間の短さ故に情報が少なく、得られた情報の大半は断片を繋ぎ合わせたような伝記的、伝承的なものである。 【生涯】 《出生》 当時の大陸内では最大規模の力を持っていた"【悪夢の大魔王精霊】ベトナルフォン" が展開していた大規模魔法結界(通常 逆夢) によって一定以上の強さを持った人々は老若男女問わず永遠に目覚めない眠りに落とされていた。 生まれながらの勇者であるハクメイもまたこの魔法結界によって胎内で眠らされており、出生時の記録にも"取り出され、産湯につけられても動くどころが泣きしない彼女を見て、当初誰もが死産だと疑わなかった。"とある。 《赤子期》 結界の影響を受けた人々は無意識的に行われる呼吸などを除くすべての動作が不可能となり、結界の外に連れ出さなければ何をしても最終的には餓死や衰弱死する運命にある。これは生まれたばかりの乳幼児に特に顕著であり、一切の食事をとれない乳児は結界の外に連れ出す前に衰弱死することが殆どであった。 しかし、ハクメイは持っていた勇者権能が夢や目覚めに関連していたものであったがために幸運にも最低限の食事活動を行うことが可能であった。 この頃に彼女の世話をしていた使用人や家族の会話から一般的な会話を理解、習得していたと考えられている。 《幼児期》 活発性が増したハクメイはベットから頻繁に脱走するようになる。この頃になると彼女の周りの人々は彼女に明確な意思があると確信し、普通の少女のように育てていく事を決心したとされる。 《学童期》 この頃よりハクメイはメキメキと実力を伸ばし始める。 『覚醒の夜』 その日は新月だった。新月の日は闇に生きる魔族の力が最もます期間であり、扉を閉じていても入り込む闇に全ての人が怯えていた。 闇は魔王の力の残滓より生まれた害意や恐怖の化身であり、人類を害することのみを至上の幸福とする。闇は全ての人の根源的恐怖であり、それに勝つことは手練の勇者ですら困難である。 それは不幸にもとある民家に侵入した。生命の気配を消し去るために闇色の刃を振るった。 本来ただ命を刈り取るのみだった刃は俄に外れ、ベッドに巨大な溝を生み出した。 闇は手が滑ったのかと不審に思い再度刃を振ろうとした。 しかし手は動かなかった闇はようやく自身が穿たれていることに気がついた。背後には眠っている少女。 闇は自らが消え去るを感じつつも少女を見つめる。眠っいる。立っている。眠っている。 暗闇で粗悪な剣が煌く。 こんなもので切れるはずがない。切れていいはずがない。 そもそも眠っているのになぜ戦えるのか。 闇は消え去る直前まで疑問を抱いていた。 少女は剣を持ち、夜の闇に消えていった。 《以降》 以降の足取りは誰からも明確に語られていない。 しかし世界各地で武器を片手に徘徊する純白の少女の話がされるようになった。 曰く、千鳥足のような不規則な動きで龍の炎を躱し一撃で首を撥ねた 曰く、見えないはずの魔族を正確に見つめ切り裂いた 曰く、深淵に連れ去られた子供を抱きかかえ魔族の要塞を破壊して帰還した いつの間にか勇者軍に所属し いつの間にか聖剣を獲得し いつの間にか無数の魔王を撃破した それはさながら夢幻であり、誰かが夢見た世界からやってきた英雄のようであったという。 《現在》 春の朗らかな陽気と優しく肌を撫でる春風が包む花畑の中心で誰がが横になっている 純白という言葉を体現したかのような太陽の光でキラキラと輝く長い銀髪 動きやすさと気品を両立させたシルクのドレス 一見するとどこかの国のお嬢様のようにも見える。しかし、護衛や監視のようなものは見えない。 それならどこかから逃げてきたのだろうか…? それも違う 彼女はただ、旅の果でこの場所が気に入り横になっているだけなのだ 彼女な何者なのだろうか 一見すると眠っているようにも見える。しかしその無防備に見える肢体の全てに隙は見えず、近づいた無遠慮な存在を容易く切り捨てるような凄まじい気配すらも感じる だが、ひと目見ただけの彼女は一切の力のない町娘のようにも見える無垢な様子で眠っている その凱旋と真紅の激戦の記憶を感じさせないが如く ※注釈 "大勇者魔王時代" とは 世界に夥しい数の魔王が発生し、それと同時に勇者が大量に覚醒した時代。 勇者、魔王共に圧倒的に玉石混交であり、神に等しい程の圧倒的な力を持ったものから庶民に毛が生えた程度の力しか持たないものもいた。 各地で勇者を中心とした大国と複数の有力な魔王とその配下が連合した集団が激戦を繰り広げており、安全な場所は圧倒的な勇者、魔王の隣を除いて無に等しい。 法的な力を残していた諸国家は勇者の覚醒や魔王の発生を検知できる魔法を開発しており、確認された場合勇者なら即時の徴兵、魔王であれば討伐処置が取られていた。" "カーナカタ大陸" とは 世界六第大陸の一つ。 地理的には 《観測の賢者》ワールパ の作成した"星体図解"の北西部の高緯度地帯に存在する。大陸内には南極を含み、その大部分が人が住むに適さない凍土や流氷地帯であり、大勇者魔王時代以前においても人類が安定して居住した地域は大陸南部の湾岸に留まっていた。一方で冒険者たちによる調査の結果、大陸中央部から北部にかけて互いの連携が希薄な小規模国家や遊牧、狩猟民族群の存在も明らかとなっていた。 大勇者魔王時代においては北極の中心の"魔源泉"の魔力を苗床に他の大陸と比較しても圧倒的な量の魔王が発生し、共鳴反応的に人口比における勇者の量として異質とさえ言えるほどの大量の勇者が覚醒した。 人類と魔王のパワーバランスそのものは拮抗していたものの、厳しい気候を味方につけた凍土の魔王側が終始圧倒していた。 この窮状において関係が希薄であった諸集団たちは次第に団結し、最終的には大陸の大部分の集団が所属する連合組織が結集された。 連合組合と魔王の戦闘は連携が取れるようになった他、後に5大勇者に数えられる《太陽の勇者》 ヨウレイ の奇跡による防寒対策により人類側が優勢になる。一方で魔王側は混乱や仲間割れによる同士討ち問題が深刻化していた。 最終的に凍土の各地に存在していた16の魔王城を全て陥落させたことでこの大陸における主要な魔王を討伐、封印した人類の勝利となった。 この大戦後、短い平和が訪れたが大戦による諸集団の団結や有効は次第に綻び、各地で小競り合いが頻発するようになった。大戦によって積み上げられた亡骸や流れた血、魔力は淀み、その果てに"【悪夢の大魔王精霊】 ベトナルフォン" が発生した。ベトナルフォンは強力な眠りの力と幻覚を操る魔王であり、不安定であったカーナカタ大陸の諸集団は殲滅されていった。 この混乱は魔王の呪いに強い耐性を持って生まれ、対となるような権能を持った勇者 "ハクメイ" がベトナルフォンを討ち取るまで続いた。 以降は強力な力を持った魔王の出現は確認されておらず、極寒という土地柄を除けば非常に安定した状態を守っている。