妖精族は魔力の高い自然の中に生まれ、そこに集落を形成して暮している。 最も有名なのは森に生まれる妖精たちで、山や海などの妖精たちよりも他の種族と接点を持つことが多い。 とはいえ、ヒト族や獣人族などよりも遥かに閉鎖的であり、妖精狩りなどの存在もあって集落まで訪れてまで接触できる者は限られる。 それほど閉鎖的でも、あるいは、それほど閉鎖的だからこそ、妖精の村から出て他種族に混じって暮らすものも僅かながら居る。 ポピー・グッドグッドはそういった妖精族の一人だ。 彼女はとても妖精らしい気質だった。自由を愛し、拘束を嫌った。だから村を出た。 絶交した、というわけでもなく、たまに村に帰っている。妖精族は閉鎖的な面はあるものの、外に出ていくものには基本的に優しい。 村を出たあとは妖精族の魔法を武器にして、色んな場所を旅した。色んなものを見た。 ギルドにも属したが、帰属意識はそんなにない。仕事をくれるから属しただけだ。ただ知り合いは増えた。 とにかくポピーは妖精の魔法使いとして今日も様々な冒険をしている。