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【宵断機関】新人特務員・神谷誠

宵断機関に所属する新人特務員。 明るく人当たりの良い、ごく普通の少年……に見えるが、彼の身体には極めて危険な怪異が共生している。 その怪異は、宵断機関から「嘘喰い」と呼ばれている。誠自身は怪異を「カイ」と呼ぶ。 カイは口が悪く、皮肉屋で、人をからかうことを好む。誠とは頻繁に言い争っているものの、長い時間を共に過ごしてきた相棒でもある。 一方、誠は極端なまでに正直な性格であり、どんな状況でも意図的な嘘をつかない。この性質こそが、誠とカイが同じ身体で共存できている最大の理由である。 【誠とカイのなりそめ】 誠がまだ宵断機関とは無関係だった頃。ある怪異事件に巻き込まれた誠は、偶然にも封印指定級の怪異と遭遇する。 その怪異は、言葉によって人間の認識を歪め、存在そのものを喰らう危険な存在だった。 当然、誠もその標的となる。しかし、誠は怪異の言葉に対して一切の嘘を返さなかった。 恐怖を感じれば「怖い」と言い、分からないことは「分からない」と答え、怪異の言葉に矛盾があれば「それは嘘だ」と真正面から否定した。 その異常なほどの「真実への固執」が、怪異との間に奇妙な干渉を引き起こす。 本来なら人間を侵食するはずだった怪異は、誠を完全に喰らうことも、逆に誠から離れることもできなくなった。 そして最終的に―― 怪異は誠の身体に封じ込められた。 ……と、宵断機関はそう記録している。 誠自身も、その説明を信じている。 だが、実際には少し違う。 誠の「嘘をつかない」という性質によって、怪異の本来の性質そのものが変質したのだ。 本来の怪異は、 「名前を持つもの」を喰らう存在。 その真名は―― 《無銘》 しかし、誠と共生することでその本質は歪み、普段は「嘘だけを喰らう怪異」として固定されている。 そして誠が《無銘》を「カイ」という名前で呼び続けることもまた、怪異を一個の存在としてこの世界に繋ぎ止める楔となっている。