運命は味方した 魔王を倒し世界を守る為には 力を得た時 力を制御し全てを守るか 力に呑み込まれ目的を見失い全てを破壊するか その2択だった そして神は救った 勇者として崇められ世界を旅した者を XXXX年オースティンは生を受けた 母は元王女、父は元仙人という事からどんな子が産まれてくるのか 村の人々の期待は高まった 結果は左手に紋様を持ち比べ物にならない程の魔力を持った子だった 母、父や村の人々はおおいに喜んだ その日は一晩中宴の様な晩であった その日からおおくの期待を受けて育てられたオースティンは どんどんと成長していった だがオースティンが2歳になった頃村が多くの魔物に襲撃された 村の人々は武器を持ち必死に戦ったが次々と虐殺された 母と父はオースティンだけでも逃がそうと転移魔法を使い遠く離れた村に飛ばした そこからオースティンは16歳ほどまでその村で過ごした 16歳になりしばらくした頃オースティンは旅立った 自分を産んだ父や母に合うために だが現実を突きつけられた そこにあったのは全ての村人が殺され悲惨な姿になった村であった その中にはおそらくオースティンの父、母であったと思われるものもあった オースティンはひどい憤りを感じた 親を殺した魔物にそしてそれを仕向けた魔王に そのため魔王を倒すためにオースティンは旅立った オースティンは魔王を倒すべく様々な事を調べた 他にも被害を受けた村があること、自分が勇者として産まれてきたこと、魔物は一部の魔法や勇者の力でないと殺せないことなど そして今の自分には到底魔王には勝てないこと 今の魔王は魔物を使い人の魂を集め己の力を強くしていた オースティンはこの時母に言われた言葉を思い出した 「困った時はミナガルデという村に行きなさい。そこには古図書と呼ばれる何でも知っている老人がいるから」と オースティンはミナガルデに向かった 道中様々な魔物に出会ったがなんとかたどり着いた 村に入ったが人の気配がない 物音一つしなければ人の活気を感じない その代わり人によく似た見た目をした石像が多数あった 村の中をくまなく探すも何も見つからない だが一つ奇妙な壁画のようなものを見つけた 木や池の様な物が並んだ絵の中に赤いバツ印 その絵は村のある場所を示す地図のようなものであった オースティンが地図の示すバツ印のあった場所へ行くと そこには地下へと続く階段があった その階段を降りると一人の老人がいた その老人は驚いた様子で取り乱していた 老人をなんとか落ち着かせ話を聞くと 数週間前に村は魔物の襲撃を受けた 村の人々は皆魂を取られると覚悟していたら 石へと変えられていった 老人は地下に逃げ込みなんとか助かったという 老人はオースティンを見るなり真剣な顔になり 「おまえさんならもしくは……」 と呟いていた しばらくして老人は自分を古図書と呼ばれる者である事をあかした そしておまえさんの魔力を使えば村を戻せるかもしれないと言った 石化を解く魔法は知っていたが魔力を使いすぎるため使えなかったという オースティンは老人に石化解呪の魔法を教えてもらいそれを唱えた その瞬間石像であった村の人々はもとに戻っていった 村の人々はオースティンと老人に感謝し、大きな祭りを行った それからオースティンは老人に様々な魔法を学んだ オースティンは次の村へと向かった そこからは様々な事を体験した 時間の進まない街や機械が暴走し人々を殺す村など そのいく先々でオースティンはそこの人々を救っていった そうしてある街で魔王の住む城の場所を知った オースティンはそこへ向かうことを決意した オースティンが魔王の下へ行くと分かった日 オースティンに助けられた者たちが集まりオースティンを鼓舞した その時王の国宝とされていた聖剣と白色の聖なる鎧を受け取った 皆がオースティンを勇者として崇め、託したのである 魔王に打ち勝ち皆を救うことを オースティンは魔王城へ向かい頂上を目指した 途中様々な魔物に出会ったがもう怖くなどなかった 全ての魔物を倒して進むと大きな扉にたどり着いた 重く大きな扉を開くとそこには椅子に座る魔王がいた オースティンは早速魔王に挑んだ だが結果は惨敗 全くと言っていいほど魔王には敵わなかった オースティンが負け魂を取られると覚悟した時父の言葉を思い出した 「命の危機が迫った時左手の紋様に魔力をこめなさい。お前ならばきっと力を制御し打ち勝つことが出来るから」と オースティンは左手の紋様に魔力を全力で込めた その時紋様が光り輝いた ものすごい力を感じると共に強烈な痛み、苦しみを感じた 脳に言葉が流れてくる 「その力は先代達や勇者を目指し死んでいった者たちの力です。その力は物凄く強大ですがその力に呑まれた時には………死が……ま………」 そんな言葉が聞こえてきたその力に最初こそ抵抗していたものの 体力も尽きてきた時それを受け入れることを選択した 自分なら大丈夫と… そして運命は味方した オースティンはその力を制御した オースティンは果てしない力を手に入れた もはや神とも渡り合えるほどに その時オースティンの存在価値は確立した 全てを守り、全てに打ち勝つために 今もオースティンは旅を続ける 今はまだ無い完全なる平和の為に