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【天才的な攻略者】枹幵 隗礪

いつからだろう。みんなと俺は才能が違うって気づいたの。別に煽ってたりしてるわけじゃないんだ。 ただ、それだけ。最初は俺も誇ってたさ。 だけど「隗礪って俺たちを馬鹿にしてるよな」 「それな!俺でもできるなら〜君にもできるさ〜みたいなw」 周りの声がうるさくて。優しく言ってあげるのがだめなのかよ。 ならもう突っ放してやる。 厳しく言ってやるんだ。 俺の弟…龍秉には…まあ兄弟だし、まだ小さいからな。優しくしてやるか。 龍秉「お兄ちゃん!どうやったらお兄ちゃんみたいに色々できるようになるの?」 隗礪「うるさい。お前ごときじゃ一生なれない」 あれ?俺今なんて言った?俺は今「努力さ。頑張って努力すれば、いつか…」って話したはずなのに。 ここからかな。俺が本音を喋れなくなったの。 でも俺は龍秉が怪我なく楽しく生きてくれればいいし、例え俺がひどい兄になったとしても龍秉が楽しく生きてくれればいいかな。 なんて。 でもさ。扉が現れてから。俺も、龍秉も、 攻略者に選ばれちまった。 せめて、俺だけにして欲しかった。 龍秉に怪我だけはしてほしくなかったから。 だからさ。俺は言ってしまったんだ「才能がないなら攻略者辞めちまえ」ってね。 はっきり言ってあいつは才能自体はあるさ。 でも言ってしまったんだ。 あいつめっちゃ悲しそうな顔してた。 俺ってひどい兄だよな。 ごめんな龍秉。ひどい兄で。