名前: タイラー(名字なし) 性別: 男性 年齢: 16 在住地: 荒野の外れの廃ガレージ 嗜好: 赤色、騒々しく巨大な機械や乗り物、暴力、頭突き、食事 嫌悪: 長袖 身長: 3.17m 体重: 1107kg 武器:スクラップから引っこ抜いた大型チェーントレンチャーの一部に重機のエンジンを直結した、手製の大型チェーンソー。 備考:興奮したり怒り狂うと見境なく暴れ出すが、意外にも戦意を示さない相手を傷つけることはない。 ~生まれ~ 冷戦期の局地戦で、とある国の軍が通常の歩兵を超える火力と耐久性を持ち、閉鎖環境でも活動可能、メンテナンスいらずの食糧だけで安価に維持できる人造重歩兵を開発し続けていた。タイラーはその失敗作だ。 人造歩兵は本来、幼児や少年程度の年齢で製造され、体内に組み込まれたゲノムを活性化させて骨格や筋肉を強制的に成長させることで、若く長期運用可能な体を完成させるはずだった。 しかし、タイラーのゲノムには先天的な異常があった。それが原因として発生した過剰なプロセスが全身の骨、内臓、体構造に不可逆的な重傷を負わせ、タイラーに凄まじい苦痛を引き起こす。 軍の研究者と技術者たちは、上層部の指示で彼を生かし、巨大さと耐久性を活かして最前線で戦わせる事に最適化された改造を施す。数か月間の療養と改造の末、完成したのは… ・他の成長体を1m以上上回る背丈。 ・金属製のベッドと床をへし折るほど分厚く重厚な筋肉と皮膚。 ・過剰な身体活動による高熱の代謝から内臓を守るため、背部に埋め込まれた二対のマフラー状排熱孔。 ・発話機能が失われた声帯、動物的に退行した脳機能による獣のような声。 ・表情筋と頭蓋の過剰発達で引き裂かれた顔に、対照的に巨大化した顎と歯。 ・切除された顔の代わりに鋼鉄製の顎付きヘルメットを溶接され、元の顎と歯を金属製の顎で覆った異形の頭。 これら全てを併せ持つ化け物であった。 軍は当初期待を寄せたが、タイラーの過剰なサイズは兵装規格に合わず、非従順で「愚か」な態度を見た途端、掌を返して彼を辺境の荒野に捨てた。頑丈すぎて殺処分も出来なかった為、野垂れ死にを狙ったのだ。 しかし、それも失敗。タイラーは今もスクラップと賊が蔓延る過酷な荒野でしぶとく生き延び、激しい争いに首を突っ込み続けている。まるで元からそうだったかのように。 素手でも重機や自動車を引き千切る腕力を持っているというのに、今ではこのせいでチェーントレンチャーの残骸を見つけて自分のお気に入りの武器にしてしまったおかげで手の付けようがない。 彼の名前もまた荒野で過ごす中で手に入れたもの。言葉を話せないのにどうやって主張したかは謎だが、誰かが勝手に呼び、その名を持つ彼が思うがままに暴れ回った結果としてが荒野の住民や賊の間で定着したのかもしれない。 けたたましいチェーンソーのエンジン音と、空気を震わせる雄叫びの二重奏が響く時、それはこの名もなき荒野で争いが最も過熱した証だ。