私は仕事帰り、いつもの道を歩いていた。 「はぁ、またやっちゃった……」 社会人1年目、同僚や上司に支えられながら頑張ってきた私は長玉莉子(ながたま りこ)です。 今日、取引先の人を手違いでグアムに飛ばしてしまいました。 本当はグアムじゃなくて群馬でした。 悪気があった訳では……いや、そっちの方がタチが悪い…? とりあえず私は日々ミスをしてばかりのダメ人間なんです。 「はぁ、私ってなんで学ばないないんだろ……」 上司を東京湾に沈めかけたり、他にも同僚の家を爆破しかけた事もあります。私、社会人向いてない?、いや…そもそも人間向いてないのかな…?? 重い足取り、不意に立ち止まる。 「んっ?」 暗い路地裏に目が向く、猫の後ろ姿。フリフリと揺れる尻尾が私の心を惑わせる。 「猫ちゃん〜♪」 軽い足取り、私は路地裏に吸い込まれていく。 スキップ♪ スキップ♪ ランランラン🎶 「猫ちゃん、どこかな〜!」 周囲を見渡す。あれ…?、ここどこ…!? 迷った、社会人にもなって恥ずかしい……と思った私は今月3回目の迷子である。 「どうしよ……、迷っちゃった…」 視線が一点に止まる、あの猫の後ろ姿が見えた。塀を越えて一軒家に入っていく、私は目を輝かせて駆け出した。 「猫ちゃん〜♪」 敷地に入る、不法侵入という言葉はこの女には通用しない。 庭を見渡す、猫がいない。 「あれ……??」 引き戸窓が少し開いていた、そこから入ったのだろうか。 「お邪魔しま〜す!」 カビ臭い、激臭が鼻をつく。 「猫ちゃん…?」 部屋はとても暗い、夕日が沈んで月明かりが窓から差してくる。 ___にゃ〜 「猫ちゃん!?」 私は振り向く、リビングのソファの上に猫がいた。 しかし……、その猫の首は異様に長かった。 「ね、猫……??」 猫の視線が私を見据える、そしてこう呟いた。 「そこのお嬢さん、私は首が長い猫。あなたのお名前は?」 「私はリコ!、あなたは?」 「名前はまだ無いわけではないですが、お近づきの証として私の事は"首が長い猫"とお呼び下さい。」 首が長い猫はそう呟いた。 「なんで首が長いの?」 「ふふっ、何ででしょうね」 猫は笑って話を誤魔化す、でもリコは気にしない。 「へぇ、そうなんだ!、あなたの飼い主さんは誰なの?」 「飼い主……あぁ、なるほど…私のご主人はもう長らく帰ってきてませんね」 猫の瞳が月明かりに光る。 「もし、よければ私とお話しませんか?、ずっとこの家で一人はどうも悲しくて……」 「うん、いいよ!」 「ありがとうございます、では一つクイズを」 "この家の不審な点は?" 「んー、くさい!」 「正解、では何故でしょう?」 「あなたが漏らしたから?」 「あはは、残念ながら違います。」 「じゃあ分かんない!」 「そうですか、誠に残念です。」 そう言って猫は背伸びする、のび〜と両腕を突っ伏して背伸びする。ピンと伸びた尻尾が可愛いらしい。 「では、あなたについて教えていただけませんか?、私はもっとあなたを知りたいです。」 猫はそう言って笑ったのである。 【執筆途中】