無駄に長い駄文ですもしお時間あれば読んでみて下さい 幼い頃から剣術に親しんでいた心武は 毎日道場に通いつめていた そんな心武が最も、好んでいた稽古が木刀を用いた打ち込み形式の試合だ 志を共にする者達と日々研鑽に励んでいたある時真剣の寸止め形式の試合を許可される弱冠13才の心武が寸止め形式の試合を行うのは異例の事だった それもその筈幼い心武は一度の稽古で多くを学びその純真さゆえ学びを実践し自身の技術として取り入れていた 心武が13才になる頃には同輩はおろか元服を迎えた兄弟子すら試合を渋る程の剣才に恵まれていた その成長速度からついたあだ名は筍そんなあだ名も余所に試合をしてくれる兄弟子がいた名は優太郎と言う 優太郎は、心武が5つで道場に入門してからずっと背中を追いかけていた兄弟子だ 二人の剣術は拮抗しており剣を交えながら互いに学びあい成長していった 心武が元服を迎える頃には剣術は志を共にする者達と比べて頭一つ抜けていた いつしか優太郎との試合も勝ち8割負け2割と優太郎を超えて道場きっての剣才だった暫くすると師匠から直接技を学ぶ様になり心武は「秘伝書を読む修行ばかり楽しみの試合もからっきしだ」と優太郎に愚痴をこぼしていた その日の晩修行の時間師匠が渋柿を齧った様な顔をしながら一冊の古い秘伝書を持ってきて言った 「この奥義之書が我が流派最古のそして歴代師範が修得し得なかった剣の極みである奥義、不斬之太刀が記された物だ」 更なる強さを求めた心武はすぐに奥義之書を読み込んでいると部屋の扉を叩く音がしてハッとした外はすっかり明るかった 急いで扉を開けると優太郎がいた 奥義を早く試したくなった心武は最後の 一項を読まずに試合をした 始めはいつもと変わらずこの調子なら勝てそうだと思っていた時だった突然優太郎が倒れたのだ道場の皆が集まって様子を確める師匠がたった一言死んでいる…そういった試合は勿論真剣の寸止め形式優太郎の体にも一切傷がなかった 心武は奥義之書の最後の一項を読んだ そこには奥義相手に触れること無く殺す 不斬之太刀について詳しく記されていた 相手に5度寸止めをすると天寿を迎えさせると記されていた 心武は一晩で奥義を修得し直後に最大の友を失ったのだ そんな現実を受け止めるには幼すぎた弱冠17才の心武は友の供養もせずに道場を辞して強くなり過ぎた 自分と試合が出来る相手を心の穴を埋める存在を探すために旅へ出る 事を察した師匠が餞別として優太郎の形見である刀を持って流浪人となる