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浄罪の真核者 カイニック

『ジョウザイ』の真核者 カイニックは古代の権力者『グルエド』によって『真核者』に作り変えられた者だが『グルエド』とは違い、21世紀生まれの歳は17とカイニックと同じ『真核者』の中では『リン』の次に若い。 だがカイニックは『カルナク』率いる『真核者』達とは面識もなければ名前も顔も見たことない、唯一会ったことのある真核者及び祝福者は『グルエド』のみだった。 『グルエド』はカイニックの『門を自在に操る』という能力に惹かれており密かに『グルエド』は自身の能力下で操ろうとしているが何故か『グルエド』の『真核者を操る』という能力が効かない。 カイニックの過去: カイニックは幼少期母父の両親と山奥の家に住んでいた、 だが母親から虐待され父親は自室の書斎に引き篭もり育児はおろか虐待を止めることも母親を咎めることもしなかった、 だが父親に助けを求めようとカイニックは父親の書斎を開けるといつも大人の“大きなゲンコツ“が飛んできて両親2人から虐待を喰らう羽目になっていた。 母の機嫌を損ねると時には行動を制限するかのように胴と腕に“縄を縛られ“1日中なにも飲まず食わずにされるということもあった。 だがそんな彼にも唯一の心の拠り所があった、 それは家のすぐ外にある草原だった、 緑は美しく花も生い茂っておりそこには“白く美しい蝶“が沢山舞っていた、 カイニックはいつもそんな綺麗な蝶を見て絵に描いたり、 綺麗な草原でする読書が好きだった、 特に大好きだったのは『名探偵シャーロック・ホームズ』の小説だった。 そのように過ごしていると日々の苦痛も微かながらも癒されていた。 そしてそんな苦しい日々も過ぎ歳も7歳になったとき、 彼は山の麓にある学校に通えるようになった。 通学には時間も体力も使うが初めて見る他の子供、 初めてする教室での授業、 いつもは自室で本を読むことでしか知識を得られなかったカイニックからすると全てが新鮮で楽しかった。 そして彼はこの学校でかけがえのない親友も出来た。 そんなカイニックも時が経ち15歳へとなった、 彼の親友は 「今度お前の家で遊ばないか?」 と言われ初めて自分の家で遊ぶことになったが 「何かあったら俺が守ってやるから安心しなって!」 と言われたがカイニックは依然として不安だった、 なんと言っても心配の種は唯一にして最大の物、 そう…カイニックの異常な両親のことだった。 両親のせいで親友に嫌われないか、 親友に何か危害を加えないかとても心配で気が気でなかった。 だが家に着くと母はいつもの怒ったような睨み顔ではなく見たこともないような笑顔で親友を歓迎していた、 カイニックは初め困惑していたが、 そんな母の優しそうな顔を見て親友は 「案外優しそうな親じゃないか、いつも話に聞いてて不安になってたけどこれくらいなら俺の親の方が酷いぜ?」 と自分の親を罵りながら冗談交じり言った。 そしてそのまま共に読書や勉強会、ボール遊びと楽しい時間は過ぎ親友はカイニックに別れを告げて自分の家に帰っていった。 すると母は途端に顔を歪め 「どうして私の許可無しに部外者を家に招いたの!!ちゃんと私に従いなさい!!」 「部外者から身を守るためにこんな山奥の家に住んでるのになんでわざわざ個人情報をバラすようなことをしたの!!悪い子には教育よ!!!」 と言うといつものようにケーブルを鞭のようにして背中に振るってきた。 彼は痛みのあまりに叫ぶが口は縄とテープで声が出せない様に縛られており言葉にならず、 そして逃げようとするも行動出来ないように今度は手足に縄を巻かれた。 ケーブルによる虐待は次第にエスカレートしていき、 母は小型の折り畳み机を用いて全身を殴ってきた。 彼は母からの過剰な暴力により意識を失いかけるがそんな時忘れ物に気付いた親友がカイニックの家に戻ってきた。 ずっとカイニックの親の話を聞いていた親友は判断が早く、この惨状を見て間を置かず一声 「このクソババア!!カイニックから離れろ!!」 と母を押して跳ね除けた。 すると床に転んだ母は今度はキッチンの包丁を手にして親友に向けて突進した、だが親友はカイニックの体に結ばれた縄を解放をしており、 カイニックも「ユージン!危ない!」と声を荒げたが遅かった。 母は親友の横腹を刺した。 親友の横腹は包丁が抜けた際に肉が“裏返っており“ あばら骨が一部露わになっていた。 そんな親友は肩や腰を刺されながらも必死にカイニックの縄の解放を優先した。 親友はカイニックの脚の縄を解放したと同時に残る力で母へと殴りかかった、 「カイニック!!早く警察を呼べ!こんな場所普通じゃない!逃げろ!」 と言われたが親友を残して置き去りに出来るほど冷たいカイニックではなかった。 だがそこに騒ぎを聞きつけた父が書斎から出てきた。 明らかに不機嫌そうに、そして怒っている。 父は親友を見るや否や無言で分厚い本の角を親友の頭へと振り下ろした。 複数の刺し傷に横腹の重傷、そして頭への強烈な衝撃でとうとう親友は倒れてしまった。 カイニックは親友を助けたくて仕方なかったが 「ここで僕が向かっても2人には絶対に勝てない………ごめん……ユージン……すぐ戻る!頼む……生きててくれ…」 親友の助言を無駄にしたくなく絶対に助けたいという必死の想いで森の中へと逃げ込んだ。 カイニックはいつも山奥の家に住んでいて自分しか知らない獣道もよく知っていたためか、 幸い道中誰にも見つかることもなく近くの交番に助けを求めた。 そして複数の警察と共に家に戻ると両親の姿はとっくになく、 既に亡くなっていた親友の無残な亡骸のみが残っていた。 親友の背中はあまりにも多い刺し傷で肉は飛び出し血が溢れ出し、 肉は“裏返って“いた、 そして頭は一箇所にずっと衝撃を喰らっていたようでクレーターの様にありえないほど一点が凹んでいて片方の目も飛び出しかけていた。 カイニックは親友への懺悔の気持ちと親への怒り、 そして見るも無惨な惨状に吐き気を我慢出来ず遂に警官の前で吐いてしまった。 そして葬式で棺に入った親友を見た時、 現実感がまるでなかった。 まるで“魂が抜けた“かのように何も感じず、 ひたすら流した涙が喪服へと“吸収“されていき、 そのまま時が過ぎていった。 警官は捜査を続けて指紋やDNAの採取も解析も出来ていたが親は完全に行方を絶っており指名手配書も出されたが未だに捕まらなかった。 カイニックはあれから1年ずっと山の中を探していた。 彼は警官よりも自分の方が山の中に詳しい自信があり、 独自で山の中を探索していた。 そして探し続けて1年、 その時ある道を歩いていると山奥には合わない金属音が聞こえた、 長い草木を払ってみるとマンホール型の謎のシェルターらしき物だった。 だがそれはシェルターの蓋にも強く草が根付いていて蓋を閉じられればここにシェルターがあるということには気付けないほど一体化していた。 過去ここを何度も通っていたが一度も気付けなかったほど巧妙で完璧な隠れ家だった。 これは両親の物だ、 そう確信したカイニックは飲まず食わずで1日ずっとシェルターの入口を隠れて監視していた。 そしてついに彼は両親がこのシェルターに入るや否や自身もシェルターへ飛び込み『あの事件以来』いつも隠し持っていた小型のナイフで母を突き刺した。 父は慌ててハシゴを登り逃げようとするも、 カイニックは携帯していたこぶし大の大きさの石を父の頭に投げつけ流血させ気絶させた。 母には特に憎悪を抱いていたカイニックはナイフを刺すたびにそのナイフを鍵の様に捻ってあえて苦痛を増やしていた。 母の遺体は親友の時よりも見るも無残で背中の原型は無くなっており肉と血は飛び出していた。 ようやく意識を取り戻した父はそんなかつての自身の妻だったものを見て怖気づいたのか露骨にカイニックへ命乞いをする。 しかしカイニックは『かつての父のように』無視して側頭部を蹴り飛ばし体を倒す。 そしてハシゴ付近の大きな岩で父の頭を複数回叩きつけて頭部を完全に潰した。 カイニックはもう完全に闇に堕ちる寸前で復讐も遂げたため生きる理由がなく命を絶とうとしたがそこへ『奇妙な男』が現れた。 本でしか読んだことないような古代ローマの王族の着ていた赤と白のトガに身を包んでいた。 こんな真夜中の山の中に人間なんているはずはない。 そう思ったカイニックだったが『男』は続けて 「少年よ、お前はまだ若い、そして死ぬというのならば一か八か我に賭けてみないか?」 と言うがカイニックは 「賭ける…?悪いけどただのコスプレした変人なら辞めてくれ、もう何もかも嫌なんだ、歩くだけでも体が重くなってくる。」 「無理もない、ならば一つ見せてやろう。」 というと途端に『その男』の体がタコの様に肥大化し異常に変形した。 続け様にその『謎の男』は近くの小動物を瞬く間に彫像へと変えてみせた。 カイニックはそんな不思議な現象を見ても驚きも興味も沸かなかった。 だが男の一言で気が変わった 「もし我の試練を突破出来たならばお前はお友達を蘇らせる能力が手に入るかもしれぬぞ?それにそこまでの執念と己の核を持ち得ておる、 それに我が選別眼にはお前は『真核者』の素質があると見てる、 真核者へと成るのは必須、それにこれはお互いにとって悪い話ではない。」 するとカイニックは真核者に関する情報を問うことも『謎の男』の名前を尋ねることすらせず、相手に有無を言わせず試練を受けた。 そしてカイニックは試練の苦痛を乗り越え『真核者』へとなった。 『謎の男』は自身の配下になるように言うがカイニックは拒否した。 すると『謎の男』は手を怪しげに振りかざし何かを操るかのように手を動かしたが何も起きない、 『謎の男』も何故何も起きないのか理解できず驚いた顔を浮かべていたが最終的には『何か操るかのような行動』を辞めて諦め、そのまま帰っていった。 カイニックは『真核者』になった際に自分の意思で『鍵型の杖』を自由に出現させれる事に気付いた、 そしてその杖で『門』を出現させれる事にも気付いた。 カイニックはこんな能力を手に入れたことを悔やんだ。 「だがこの能力はきっと何かの兆しだ」 と強い意思でそう捉えた そしてそこから1年彼はこの能力を用いて日々裁かれぬ裏世界の罪人を断罪し周っている。 彼は独自に調査し虐待を受けている子供の救出を最優先して行っている。 同時に彼にとってのヒーロー『シャーロック・ホームズ』のバリツ、そして『ユージン』の身を挺して他者を護るという姿勢を身に着けようと努力している。 その『ユージン』の行動はまるで『悪のカリスマ、ジェームズ・モリアーティーを倒すためにシャーロック・ホームズはライヘンバッハの滝へと共に落ちていった』というものに似ていた。 彼は『謎の男』にはついていかなかった。 カイニックはそれ以来自分にはこれしか存在理由がないと思い込んでしまっている。