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【存在証明お嬢様】セリーネ・V・オーヴェンツィーダー

鎧と書いてドレスと読むタイプのお嬢様。 ハイデルヴェルク王国南東部のオーベル伯、オーヴェンツィーダー家の10人兄弟4男6女の末娘。27歳。 領地は牧歌的で、家格も高くない貴族の末娘には、政略結婚など無縁だった。幼少期からお嬢様教育もそこそこに、兄達の剣術稽古に混じり、野山を駆け、住民の畑仕事に混ざり、牧場で牛に乗り、羊とお昼寝するようなお転婆娘に育った。 特に剣術稽古が好きで、幼少期からほぼ毎日のように(勝手に)参加していた。 そんな彼女には悩みが1つ… そう、身長が12歳頃から全く伸びないのである。 彼女の身長は142cm。初等部並の身長である。 身長を伸ばす為の努力はしてきた。だが、全く伸びないのである。 兄達との剣術稽古でも、全く勝てず悔しい思いをしていた。 15歳。魔力の多かった彼女は王都の魔法學園に通うことになる。しかし彼女自身はもっと剣を振るっていたかった。 そんな中、王都の武器屋で運命的出会いをした。 超大剣『フェアレンガー』。 それは無造作に大剣コーナーに置かれていた。すでに2mと長大な上に魔力を込めれば更に伸びる大剣などとても扱いにくく、誰も見向きもしていなかった。 一目惚れだった。気づけば執事と共に部屋に持ち帰っていた。 それから彼女は超大剣を振るうべく、努力した。 小柄な体躯で大剣を引き摺る姿は、學園内で嘲笑の的になる。しかし彼女は気丈だ。 パワーではどうしようもない。ならば魔力を力に変える。 しかし、ただ魔力を込めるだけだと刀身が伸びる。激しく動きながらも繊細な魔力操作を求められ、苦心した。 しかし諦めることはない。この超大剣を振るって見せる。その一心で努力を続けた。 その努力は無駄にはならず。 18歳の夏には、完璧に自身の大剣術を確立し、兄達を優に超える大剣士となった。 そしてハイデルヴェルク王国軍の第8魔剣師団、第2大隊長を務めるに至る…とはいえ大隊に所属するのは彼女1人。周囲を巻き込む危険すぎる戦法と、千人力とも言うべき彼女の実力から、たった一人で大隊を構成しているのだ。