「貴君か。入り給え。」 フラックリッツ大将に呼ばれて、談話室の扉を開ける。 魔導機械開発部門の下っ端であるこの僕に何の用があるのだろう。…何かやらかしたのか。いや、大将にわざわざお呼び出しを受けるなら、それより前に除隊の通知があるはずだ。それじゃあなんだ。まさか昇進?あるかも知れない。あるかも、知れない。 「そう緊張するな。まるで話す余裕が無い顔色をしているぞ。」 図星である。僕より階級が十も上の”大将”とお話しするんだ。余裕なんてあるわけがない。 大将に促されて、敬礼してから革のソファに腰掛ける。 僕はフラックリッツ大将を初めてこんな間近で見た。眼光が鋭いというか…本当に光っているみたいに、分厚いサングラスの奥からほの明るい光を感じる。 きっと緊張のせいで幻覚を見ているのだ。網膜の筋肉がぎゅんと固まって、血の色が滲み出ているんだ。 「さて…単ビーム直入に言わせて貰うが、貴君はさほど忙しくないとタイニス中将から聞いている。」 …ビーム直入? 「今私が付けているサングラスだが、実はこれは武器でな。私のビームを増幅する効果と、私の眼光を弱める効果があるのだよ。それで、今…私の眼は光っているように見えるか?」 まさか本当に光っていたのか。大将。 「やはり光っているか…ッ。言わずとも結構。心の眼で聞かせて貰った。君には、このサングラスを、視認性を保ちつつも光をより多く遮ることが出来るよう改修して欲しいと思っている。引き受けて貰えるか?」 断れるはずがあるか。目の前に軍服パッツパツの眼ピッカピカの2m超え大男がいたら、誰だって断れやしない。 しかし、これは身に余る光栄だ。下っ端の僕が、大将の武器を作ることが出来るのだから。 「引き受けてくれるかッ!そうと決まれば行動は速い方が良い!ビームのようにな!」 …大将は、実は面白い人かも知れない。 帝兵証 階級 大将 兵名 MP5 名前 フラックリッツ・アントニオ・グラス 所属 帝国本部 個人スキル 有 《極眼》 眼からビームを放つ能力。このビームは数百㎞先にも届き、着弾すると爆発を起こす為、非人道的な程の破壊力を持つ。フラックリッツは心の眼からもビームを放つことができ、敵の背後からの不意討ちや光柱による掃討も可能。 心の眼とやらが何かはよく分かっておらず、本来は眼からでなくてもビームを撃てる能力だと推測できる。 この能力の影響かは不明だが、フラックリッツの視力は測定不能な程良く、80㎞先のものを判別でき、100㎞先のものをニュアンスで判別できる。 魔力技術 属性剣 習得済 属性鎧 習得済 覇性 習得済