鬼種の郷で人物評を行ったり、幅広い知識で持って生業にアドバイスをする、現代で言うコンサルタントのような物を生業とする。 こと戦闘評に関しては口は悪いが正確と評判で郷の外から客が来る程である。 ########################### 私は仕事するたび心に澱が溜まっていた。 郷の皆も頼りにしてくれている。大型犬みたいにじゃれついてくるアイツは、壮鬼は、叡智だ叡智だうるさいくらいだ。 だが、だが私は…… 鬼種として余りに貧弱だった。体躯は小さいし力はつかないし格闘センスもない。 それを揶揄する奴はもういない。壮鬼がボコボコにしたし、知識で郷に貢献できると結果を出し認めさせた。 それでも、他人の戦闘評価をしていると首をもたげる。 自分にはこんな力はない。羨ましい。鬼種として産まれたのになぜ私に力が無いのか。 皆気にするなというが私は……! ########################### いつか心に降り積もった澱に耐えきれず、彼女は郷を飛び出す。 その先に待つものは……