お疲れ様ー!アリアさんはどうだったかな?変に暴走してなかったらいいんだけど。 お次は…、ぽよよちゃん! ちなみに本名じゃなくて、ぽよよちゃんが自分のことをそういう呼んで欲しいんだって。 ぽよよちゃんは姉妹で、この次の子がお姉ちゃんで、ぽよよちゃんは妹だね。 ぽよよちゃんは、姉妹でボロボロになりながら物乞いをしてるところを私が保護したんだ。これも人間界のお話だね。 お金とか、食べ物とかを恵んでもらおうと、外でボロボロの服と、ボサボサの髪の毛で頑張って物乞いしてた。やっぱりこういうのには弱くてさ、すぐ保護しちゃうんだよね…。 ぽよよちゃんはあんなに過酷な環境にいたのに、色んな人に無視されてるのに、いきなり知らない環境に連れてこられたのに、涙ひとつ流さなかったなぁ。強い子だよ。 もう2人の親御さんは亡くなってるらしくてさ、いつ頃亡くなったかはわかんないけど…、この子達、泣いたり悲しんだりしなかったんだよね。「天国のパパとママが心配しちゃうから」って。 …最初言葉が出なかったけど…、「強いね」って言ってあげた。この言葉であってたかな…? …いつ頃だったかなぁ、2人で私のところに来て、「僕たちにも打って欲しい!」って、いつになく真剣な表情で。「イルちゃんと一緒で、恩返しがしたいのかな」って思ったけど、「パパとママが心配しないように、僕たちだけで生きていけるように、強くなりたい」って。目を赤くしながら。初めて泣きそうな顔見たなぁ。 自分の体を変えるのはすごく怖かったと思う。でも天国の親御さんに見られないために、二人だけでこっそり泣いてたんだって。子供のうちはどれだけ泣いても、悲しんでも、絶望してもいいのに…、ほんと家族思いで強い子たちだよね。 イルちゃんとアリアさんのおかげでもう安全性は証明されてるんだけど…、「死ぬことは無い」とか、「理性とか人間性を失うことは無い」とかね。でも、9歳と11歳の子だからさ。後で後悔したりしないかな…。とか、こんなに幼い子を戦闘員にしていいのかな…。とか思ったり…。 でも、そんなに小さな子が勇気を出したんだから、私も勇気出さないとね。 2人の変異が始まってすぐ、ぽよよちゃんは水色に、お姉ちゃんはピンク色の体になってね、体は液体みたいになってた。ここまで全身が変わることってなかったから、麻酔が覚めるまでの間必死に検査した。特に変わった成分とかはなくて、全身がスライムになってて、好きなように液状になったり、人型になったり、色々体の形を変えられるようになったね。戦闘面でも攻撃を受け流せたり強いし、生活も便利になった。 ただ…、お外に出るのは難しくなっちゃったね…。色もそうだけど体が液体だから服が着れなかったり…私もすごく心配したんだけど、ぽよよちゃんたちは喜んでた。「やわらかーい!」「いっぱい動けるー!」って。 …いつか、ぽよよちゃんたちがちゃんとお外に出れるような研究もしないとな…。それまで守ってあげなくちゃ。待っててね。 さて、まずは妹のぽよよちゃんから!スライムって弱いイメージがあるかもしれないけど、油断してると飲み込まれるぞー? じゃ、行ってらっしゃい。