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残光ノ燐焔機怪【アリナ・フレムン=フェード】

ID:BREAD NOTHIS PASS:※※※※※※※ ――『権限レベルⅨ確認完了 軍事機密ファイルの閲覧を承諾中……』―― ――『承諾完了 サブプロトコルナンバー及びG-POLT軍事委員会No:を確認中……』―― ――『確認完了 お帰りなさい、サージェ様』―― 落ち着いた様子の女性の声『PL-SPMSP、【文焔魂焼】の資料データの開示を要求する。』 ――『確認の為、PASSWORDの入力と暗号の斉唱をお願いします』―― 落ち着いた様子の女性の声『分かった……※※※※※※※※(古代アルマティア語)』 ――『確認が完了いたしました。これより、資料データの開示をします』―― ――――――――――――――――――――――――― ――『第一資料』                 朱茜暦20398年 2/9 近年、城塞浮遊国家都市『アルスフォワード』において、【禁忌の魔導書】の封印が各地で解けつつある 我々は封印だけに頼るのは、唯々世界の滅亡を遅らせていると同義であるという事に現在から十世紀ほど前から気が付いていた 奴らの封印が解けた時、『カウントダウン』と呼ばれる特殊な概念・因果融解波を放出する事が分かって来たのだ 特殊な波は次元などにも干渉・作用し、世界に多大なる負荷を与える 負荷を与えられ続けた世界は、やがて負荷の反動の修復で因果逆流を引き起こし、世界滅亡に繋がると研究者達の結論はそう行き着いた 現段階では、あの特殊な波を制御するどころか、防ぐ事さえもままならないのだ 故に、これより我々はプロジェクト【文焔魂焼】を開始する事を宣言する 非人道的だの生命に反しているのだの、神の定めた禁忌に触れているのだの、この際は一切がどうでも良い このプロジェクトを成功させなければ、滅びてしまうのは我々であり、世界だ 我らが先祖達が、国家に内密で作り上げてきた研究資料を活用する時がついに来たのだ 先祖達は、こうなる事を予想していたのであろうか? 幾ら疑問に思う事があれども、分からないことには変わりはない 只、今を生きる我々が未来の為にも、やるしかないことは確かだ ――『第二資料』 プロジェクト名:【文焔魂焼】 機体名:燐焔【ARINA】 採用技術一覧 ・【魂転換抽出】 ・【半疑似生命持続保護プロトコル】 ・【高出力式霊魂焼却炉】 ・【悪性感情炉】 ・【−増幅装置】 ・【焔環】 ・【生命の火種】 ・【ニューロン直結型電気信号・脳波式身体制御装置】 ・【身体制御補助装置】 ・【意識深層部移行転送】 ・【痛覚麻痺液】 ・【幻覚剤及び催眠剤】 ・【エネルギー変換装置技術】 ・【生命エネルギー接続式栄養生成機】 ・【プロジェクト:天空の紅蓮烈火】 ・【プロジェクト:深淵の崖淵】 ・【現象固形化技術】 ・【破心装置】 ・【コア主体制御装置】 ・【サブコア主体制御装置】 ・【バックアップコア主体制御装置】 ・【人機一体並列思考処理】 ・【コアによるコア修復】 ――『第三資料』 【コア】:神嵜 有菜(カンザキ アリナ) 【コア】の詳細情報 ・浮遊都市【ラストミック ベルロ区】出身 ・女性 ・十七歳 ・身長:166㎝ ・体重:45㎏ ・身体能力:優秀 ・物理耐性:普通 ・生理耐性:優秀 ・戦闘能力:卓越 ・将来の職業:浮遊都市地下機構エンジニア ・カルマ値+200(聖人) ・友人との交友関係:良好 ・恋人及び婚姻関係を結んだ人:現段階は無し ・処女 ・家族構成:七人家族 ・父:『神嵜 鉄也』(42歳、浮遊都市【ラストミック】のボイラー) ・母:『神嵜 沙紀』(40歳、アルスフォワードの軍医) ・長女:『神嵜 愛華』(20歳、ノープレス大学に所属) ・次女:『神嵜 あかり』(19歳、ノープレス大学に所属) ・四女:『神嵜 沙織』(15歳、アルルア高校に所属) ・五女:『神嵜 ひまり』(13歳、ベルロ中学校に所属) 以上の結論より、【コア】に相応しいと判断した為、【技術班】に提案しようと思う ――■■■■ ――『第四資料』                 朱茜暦20398年 8/9 暗い明かりが灯る金属と機械の擦れ合う音が響き渡る実験室の中、数十人の防護服を着た人が居た 彼らは一点に注目をしている 女性の声『嫌っ!放して……放してよっ!』 それは、今まさに台に取り付けられようとされていた一人の少女であった 技術班A『これより、コア実験を開始します。コアの反応はどうですか?』 ボードを手に持っていた一人の技術班に所属する人が台で暴れる少女を必死に取り押さえている人に問いかける 挿入班A『駄目です。全力で抵抗していて、中々落ち着きません。』 技術班A『鎮静剤を投入……』 挿入班の男性の返答を聞いた男は、そう言いかけた途端に案を捨てるかのように頭を横に振る 技術班A『いや、コアに傷をつけるのもそうだが、コアには生きた反応をしてもらわないと困る。』 挿入班A『では、どうすれば?』 そう言った男に対して、取り押さえていた男が頭に疑問を浮かべながら支持を待った 技術班A『数人がかりで抑え込み、コアに接続しろ。』 男がそう告げた瞬間、周りで待機していた人達も台に近づいて数人がかりで取り押さえ始めた 少女『放して! 放してって言っているでしょ!』 挿入班B『落ち着いてください。』 目尻に涙を浮かべながら抵抗する少女を取り抑えていた一人の男性が優しい声色で囁く しかし、少女は彼らの目的を……自分の行く末を分かっているかのように必死に抵抗し続けていた そして、遂に少女が両手両足を満足に動かせない程に上から力を掛けられた 挿入班C『取り押さえ完了しました。』 少女が絶望を感じて静かに涙を流す中、取り押さえていた一人の男性が報告した それを聞いた技術班の男は『やれ』と、一言だけ言い放った 男の言葉に頷いた、手の有り余っている他の挿入班が奥から巨大な球体の金属を持ってきた 中は人一人が入れるほどの空洞で、金属の内側には様々な機器や針、管が、まるで脳神経の様に複雑に張り巡らされていた 静かに地面の上に置かれた金属の横で、少女は何人かの男性に持ち上げられ、金属の球体の中に入れられた 入れられた時に少女は出ようとしたが―― 少女『――っ!? ぁぁああああ!』 一際明るい光が放たれた後、少女の体の内側を電流が駆け上り、少女は声が潰れそうになる程の大きさで悲鳴を上げた 二度、三度と電流が流れ、ようやく電流は止まる しかし、電流を掛けられた少女は金属の内側で白目を剝き口の端から泡を出しながら、壁に寄り掛かるようにしてぐったりと動かなくなっていた その隙に幾人かの男が少女の体に次々と金属の内側にあった針や管を少女の細い体に差し込み始める 様々な管からは薬品が流され始め、気絶していた少女の体は、それを拒絶するかのように激しく痙攣を繰り返していた それでも、男達は装置との接続を止める事はせずに、更に次の段階へと進めていく 技術班B『えー、次は悪夢と精神内で苦痛を与える【ヴェノムペイン】の接続をお願いします。』 その言葉に頷いた一人の男は横にあった人の頭大の大きさの灰色の装置を取り出し、少女の心臓と脳に直接つないだ そして金属の球体の蓋を絞めて装置の電源を入れた瞬間 研究室の中に枯れ果てた声の絶叫が響き渡った その声の主は勿論、少女である 気絶をして意識を失っても、潜在意識の内側で想像を絶す程の恐怖と苦痛を流し込まれたのだ 少女は激しく痙攣し血を吐きながら失禁し、助けを求めるかのように意識の無い手で閉められた金属の扉を素手で叩き始める 技術班A『これで、一旦完成で良いだろう。次のプロジェクトは、また明日から始める。』 その場に居た全員は男の言葉に返事をし頷くと、部屋の中央に装置に入れられた少女のみを残して部屋から出ていった