彼女はかつて明るい少女だった。 光の魔法と聖なる治癒の魔法。それが彼女の代名詞だった。 しかし。 彼女は呪われた。 氷呪。 それは吐く息を絶対零度に変える。 それはとめどなく溢れる恐ろしき冷気。 …それは優しい仲間をも脅かした。 明るい彼女は絶望し、泣いた。 仲間は変わらず優しく接してくれた。 仲間は解決策を探そうと、さらなる旅を続けた。 でも。 彼女は仲間を殺めたくなかった。 …彼女は決心し、勇者に別れを告げた。 彼女は1人、氷呪を研究する。 でも、彼女は独りじゃない。 待っていてくれる仲間がいる。 呪いは…簡単には解けなかった。 氷呪は魔王の遺作。 それでも彼女は諦められなかった。 解決策を探りつつ、冒険者として魔物と戦う。 暴走しないよう、氷呪を抑え込みながら。 氷呪に侵され、かつての代名詞たる光の魔法は精彩を欠く。 一瞬の隙を突かれ絶体絶命。 死を覚悟したリリィの脳は思考をめぐらす。 窮地に見つけた解決法。 解けないなら、もっと強くなって制御する。 もう元には戻れない…なら、自らの力にしてしまおう! …氷漬けになった魔物を前に、リリィは新たな決意をする。 氷呪の制御。 これがリリィの選んだ解決策。 彼女は戦う。 心身ともに成長し、完全制御に至ってみせる! 「全てはもう一度、仲間と笑う為に…!」