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【すぐ向かう。】ハン

 _____これを飲め。  手渡された水囊、私は木陰の下でその渡された水をグビグビと飲み干していく。  「脱水だ。じきに良くなる。」  彼女は、そう言い残して立ち去ろうとする。  _____だけど、、、  「待ってください!、まだお礼が……」  「不要だ。今は休め。」  目の前にいる彼女はぶっきらぼうに呟いた。そして、その背はどんどん遠ざかっていき、彼女はこの場から立ち去ろうとしているのだと分かった。  _____そんな時、ふとした私の疑問……  思わず私は大きな声で彼女へと問いかけた。  「どうして!、貴方は人を助けるの!」  そんな私の声が届いたのだろうか。  _____ピタッ…!  彼女は立ち止まり、こちらへ振り返った。そして、短い言葉を発するように口元を一瞬だけ動かしたのだ。  だけど、その言葉は彼女との距離が離れすぎていて上手く私は聞き取れなかった。  そして彼女は再び歩き出し、そして何処か遠くに消えてしまった。  一人で取り残された私、そんな私は先程の彼女の行動を振り返る。たしかに私はあの瞬間に発された彼女の言葉を聞き取れなかった。  _____だがしかし、、、  あの瞬間、彼女が言葉を呟いていた瞬間、その時に見せた彼女の表情はどこか寂しそうで、なにか遠い昔を懐かしむような、そんな悲しげな顔をしていた事だけは今でもハッキリと私は覚えている。  きっと私は、そんな彼女の事を忘れない。  ……否、私はあの瞬間に見せた彼女の表情を、きっとこの先も忘れる事は出来ないのだろう。  私はそう自分自身へと投げかけた。