管理権限を行使、対象:【外なる存在】通称"クソムシ" 外的要因の削除、実施者:管理者 編纂リストを参照、事項③-1を特化権限とする算出的質量を形成、まもなく完了予定。 発射準備完了、固定式概念砲、一斉展開掃射。 クソムシの肉体が消し飛ばされていく。概念の上書き、それは不死をも殺す大罪の槍。 滞在に対する罪、九番目の大罪、停滞を司る存在こそが管理者。 停滞と安定は紙一重、多次元な世界線から逸脱し、箱庭世界を管理する存在。 停滞と転換は表裏一体、彼女が停滞を止めた時、世界は転換の時を迎える。彼女は古き世界の管理者であり、新しき世界へと向かう破壊者でもある。 滞在の選択。 その果てに辿り着く最果ての結果論。 「私の選択、その果てに何を得るか……」 誰かに言われた、それを思い出すのにどれ程の時間が過ぎ去っただろうか。 「権限の期間なき限定解錠を実行……以降は、権限の代替者を指名」 私は知っている、この世界の素晴らしさ、そしてこの世界の儚さを……。 どこか儚げな……、、、 彼女のように。 クソムシの肉体の大部分が消失、あと一歩という所である。 「はぁ、はぁ、はぁ、」 躊躇なく叩き込む拳、クソムシが鈍く蠢いた。 疲労感はある、しかし未だ肉体は活動可能、問題ない。 すると、 ________ピシッ…………ッ!!! 何かにヒビが入った音、クソムシの肉体が爆ぜた。爆風が頬を撫でる、クソムシの外皮から生成された糸が肉体を包み込むようにして飛び出してくる。私は咄嗟に逃走を図るが、糸は私の身体まで巻き込んで一つの完成形、繭を形成していく。 ______ドクン………ッ!! 肉体の急激な変貌、クソムシが新たな段階へと変態していく。繭の中、私はそれを知覚する。 【管理権限の移行、及び以降の行使を委任】 と、いう文字が脳内で刹那的に過ぎ去る。 私は瞬時に理解する、私こそが果てなき管理塔、最果ての管理者であると。 https://ai-battler.com/battle/2e3d526d-e012-47f1-9f6b-4b1aafd02841