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【極彩星龍】シュリ

かつて龍に悪魔、巨人に神までもが跋扈し、破壊と創造が繰り返された太古の時代。 とある大陸で人類を守ろうとした数柱の神たちが、巨人に対して戦争を起こした。 なんと神たちが不在の隙に、巨人が人類を虐殺したというのだ。 その戦争では何柱も神が死に、巨人が死に、大陸を小さな孤島にするほどの破壊が尽くされたという。 その結末は巨人の大勝。その圧倒的な数と生存能力の高さで、個人の能力では勝る神に対して完膚なきまでに敗北を刻みつけた。 その後、勝利した巨人たちは去り、神の肉体は融解し、人類への未練を残して死んだ神たちの膨大な聖力だけが絶海の孤島と化した大陸に残された。 そこから長い長い時を経て、巨人が敗北の末に衰退し、悪魔の多くは地獄に封印され、神は地上を去り、龍はその数を減らし、人間を主役とする時代が始まる。 だがそれだけの時が流れても、絶海の孤島には膨大な聖力が満ち、神の未練が支配していた。 そんな孤島に空から一筋の流星が降り注ぐ。星に成らんと星に近づき、星を欲して手を伸ばした有翼の蜥蜴。その成れの果てだ。 星に近づいたが為にその熱に焼かれ、神の怒りに触れたが為に全身を貫かれた。そうして空っぽになった身体に孤島の聖力と神の未練が注ぎ込まれる。 その時、死んだはずの蜥蜴の脳裏に一つの思いが強烈に浮かぶ。 『人間を守らねば…』 神たちの執着ともいえるその強い未練に思考が支配される。星への憧れさえも忘れ、人間を守るという考えのみが頭に残る。 突如、焼け爛れ、穴だらけとなった遺骸が再生される。身体が膨れ上がり、翼が伸張する。額から角が生え、爪に牙が伸び、鋭さを増す。 莫大な聖力により、ドラゴンとして生まれ変わったのだ。 そうしてドラゴンは孤島を離れる。翼を広げ、人々を助けるために。 神の聖力を取り込み、その強さを手に入れて。