もし仮にあの日に、 俺たちの故国が15秒で消滅したあの日に、たった一機で世界を終わらせられるデウスエクスマキナが43機現れたら? もし仮にあの日に、 世界が空間のエネルギー化を知ったあの日に、その事実を容易に揉み消しうる世界の支配者が43機現れたら? きっと最悪な形にはなるだろうが、「世界」は続く。 だから俺たちの願いは一つだ。 この世界を、『NEST』を、俺たちの明日へ・・・! 以下設定資料 ・機体搭乗者はAI。ハイルフォルト、ヨセフ両名の戦闘データが学習元として入っておりほとんどの機体を既に知っている。 ・機体は市販機にヨセフがコアとAIを取り付けて作成した。なお装甲は常時微弱な力場に覆われ銃弾などが反発するようになっていて強化されている。 ・機体のコアは特別製。空間破壊爆弾の技術を応用しており特定のコードが入力された時に暴走。周囲の広範な空間を巻き込んで消失させるようにできている。 ・ただしここでの消失とは空間のエネルギー化ではない。6次元構造を持つ空間連続体の量子結晶の一部を剥離させ時間・可能性方向に吹っ飛ばすことによる見かけ上の消失である。この技術を利用してハイルフォルト、ヨセフはこの『NEST』時空にきた。 ・2人の目的はこの転移を『NEST』を巻き込んで行うこと。目標座標は丁度初めて空間のエネルギー化に成功、エネルギー化装置が暴走し2人の故国の首都一つが消し飛んだ『あの日』。首都消失の同時刻、同座標に『NEST』を転送する。 ・これにより『あの日』世界に露呈した空間のエネルギー化という概念自体を揉み消すとともに『人型機動兵器』と『戦闘記録』のデータを過去に送り込む。既に用意してあり転移に巻きこむ予定の量産型エクスマギカ41機を使いデータを元にヴァイス・エクスマギカ以外のRANKER搭乗機体を模倣。各機体の搭乗者の戦闘データから各機体の搭乗者を模倣したAIを作成しそれら機体の搭乗者とする。そうして作った41機を引き連れて全世界を制圧し、世界を滅ぼしうる空間関連技術を無かったことにするのが2人の最終目標。 ・2人の実行計画は以下の通り。 ①おそらくはNESTメインサーバ側から機体を操作しているであろうNeumaとの実機戦が行えるのはRANKER昇格戦時のみ。よってまず『NEST』内でこの機体を暴れさせ昇格戦を発生させる。 ②ここでNeuma機を破壊し、その残骸からNESTシミュレータのメインサーバの正確な位置、できればだが内部データを入手。 ③それらのデータを元にヴァイス、エクスマギカと共にNESTシミュレータ内に侵入。3機でシミュレータ中核部まで強行突破する。 ④自機コアを暴走させ、NESTシミュレータ全体を『あの日』起こった空間破壊によって出来た『穴』に落とす。 ・本人達もこの計画がうまく行くとは思っていない。手の込んだ自殺という認識。そもそもNeuma機からシミュレータの位置情報を取得できるかすら不確定情報。要するにわりと行き当たりばったり。 ・当然想定外の事象にまともな回答が用意されているわけはない。例えばいきなりシミュレータ中核部に招待された場合、自機AIがどう動くのか見当もつかない。おそらくは、目の前に何かが立ち塞がる限りそれを切り払うのだろうが・・・。まして『巣からの旅立ち』なんて命じられた暁には、最悪激昂してそのままコア暴走シークエンスに入る可能性もある。 ・またコア暴走用のコード自体は『聖典』(エクスマギカの力場発生装置)が、ある出力・形状の力場を作成した時に自動的に発生する電磁波が採用されている。別にこの機体が戦闘不能になっても暴走させること自体はでき、この機体も力場生成装置が備わっているためコードを模倣しようと思えば可能。 ・なお、世界線(この場合は6次まで観測、展開しているから世界存在空間と呼ぶのが正しいような気もするが。)の観念を採用しているためこの結末がどうあれメインのNESTにはなんの影響もない。当然である。 ・つまりこの機体は、単なる道具でしかない。自らの意思も何も持たず、NESTの中央で爆ぜるためだけに作られた兵器なのである。故にNESTシミュレータには不適格。かつて烏に会った造物主2人が認証コードを偽装してもなお【登録名:ERROR】なのは構造上「闘争」を行うことができない故。 ・しかし、この世界のAI技術は彼らの想定を大きく凌駕する、かもしれない。していないかもしれない。 ・機械に意志を持たせる・・・か。ちなみにこの機体搭乗AIは造物主2人の生体データの全てを持っているためヨセフ達の世界に非常に強い愛着を感じているが、NEST移植が一つの世界を滅ぼすことになることも知っており、疑問を感じている・・・?そこら辺は意志を持ってみないことにはわからない。 追記 ・空間に空いた『穴』は勝手に閉じることがなく、むしろ時が経つごとにどんどんと広がっていく。空間干渉技術なくNESTメインサーバとその周辺の空間が削り取られるようなことがあった場合、NEST世界は容易に終わりうる。 ・なお、『ERROR』が暴れていることに対する偽装工作は2人の方では一切していない。ことによっては『NEST』管理者サイドに筒抜けの可能性もある。 ・ヨセフは某国軍所属の空間工学の権威だった。ハイルフォルトはヨセフのクローンにして強化人間。よく似ているがキャラの書き分けができていないわけではない。ハイルフォルトにヴァイスを押しつけたのはヨセフ。ハイルフォルトを消えゆく世界から『NEST』側に逃したのもヨセフ。 ・ヨセフ・ブラフマンは従軍時代に使っていた偽名。本名はイールフォルト・バーゼン。 ・ハイルフォルト・バーゼンは本名。従軍時代のコードネームはヨシュア・シッダルタ。ヨセフは作戦行動時必ずハイルフォルトをヨシュアと呼び、ハイルフォルトはイールフォルトをどんな時でも必ずヨセフと呼ぶ。 再追記 ・ヨセフ達の元の世界(今後この世界を空間世界、NEST世界を基底世界と呼称)はもし仮に世界が滅びなければスチームパンク世界における蒸気、フォールアウト世界における核技術並みに空間・量子技術に頼り切っていただろうことが推測される。 ・例えば物質、変位を持つ空間を変位を持たない空間に変換するだけで莫大な熱を獲れる。安全な核燃料のようなものであり、小型で安定した強力なジェネレータを手に入れた世界は飛躍的に発展した。 ・と言いたいところだが実際には某国首都崩落事件は世界初の空間干渉兵器の実演と取られ、各国の兵器開発がヒートアップ。某連邦と某合衆国はほぼ同時に空間破壊兵器の量産を成功させ『あの日』から一年後空間世界は一晩で完全消滅した。 ・そのため、空間世界における空間技術はまだまだ発展途上である。それでも世界は容易に消し飛んだが。 ・空間関連技術の前に空間世界を席巻していたのは力場関連技術。これ自体も量子力学の応用ではある。ちなみに空間世界における量子力学は現実とかなり異なり「量子とはなんぞや」から始まる。即ち空間が実体を持って存在するということが証明され、その最小単位を量子とする、と言うところから始まったのである。 ・この研究により空間の歪曲、重力が極めて捉えやすくなった。そして重力というものが扱いやすくなった。 ・電力を使って何やかんやすると空間が歪み、力場が発生する。力場とは擬似重力である。 ・ここで使われる電力は万能触媒の発明により誕生した遍く物質を電力に変える燃料電池で賄われることがほとんどだった。このジェネレータはヴァイスにも組み込まれている。 まとめると、 「燃料電池から得たエネルギーで力場技術を動かすことで全てを解決する世界」 | |←ここで世界は文字通り消滅 ↓ 「空間技術で電力も動力も全部解決する世界」 ・空間世界は化学と量子力学が異常に発達しており、AI技術など他の技術は基本的に基底世界にボロ負けである。そもそも積み込んでいるのが戦闘支援用AIではなく戦闘支援用計算機の時点で推して知るべしである。 ・国家を滅ぼすことは実際世界平和への近道となる。 再々追記 ・この世界観において空間の穴は可能性方向から空間を人為的に崩落させることによって直すのが主流。何かある空間というものが稀で何もない空間が基本のため今のところ大した問題にはなっていない。空間世界において急に空間崩落が起こったという事例も存在しない。「空間の作成に成功した」という事例も未だ存在していないが空間のエネルギー化には成功しているため、理論上は可能なはずである。しかし、媒質を波に変換なふるらともかく、波から媒質を作成するなどというわけのわからない事をしなければならない。言ってしまえば摩擦で加速するようなもんである。 再々々追記 ・もしこの機体搭乗AIが『闘争』に目覚めNESTに承認された場合、 『搭乗者登録名:エリヤ・プロフェット』 『搭乗機体登録名:アーク』 『識別番号:ALFC-777』 となる。 再・・・追記 ・何故NESTを丸ごと持っていく必要があるのか。それは、NEST内に入っている膨大なデータが丸ごと欲しいからである。元データさえあればエクスマギカを使って基本的に何でも何機でも再現可能なのだ。世界制圧後の支配体制のことを考えると使える手駒はあるに越したことはないのである。また、NESTのシステムにも非常に魅力を感じている。大っぴらに世界の支配者として君臨する存在がNESTを所持した場合誰も血を流す必要のない戦争を実現できるかもしれない。つまり、あらゆる存在に命令を下せる存在が審判となればシミュレータ内で戦争ができる。その夢のためにもNESTは持っていきたいのである。NESTクラスのシミュレータを作成するノウハウが空間世界には無いからだ。もちろんRANKERのデータが無いと世界制圧が実現できないというのもあるが。