《追想の夢》 バルトロメウスは、人間の国の中央王都という大都会。その社会の表に出ない最底辺のゴミ溜めと揶揄され蔑まれるスラム街で育った、赤ん坊の頃は孤児院の近くに捨てられており母親の事は一切知らない。 王都の貴族達が起こした政変の影響でこの時期は治安が非常に悪かったが、孤児院のシスターとスラムの子供達に支えられすくすくと育っていく。 物心がついた時は優しく仲間思いでスラムの子供達を引っ張るリーダーとなっていた、盗みを働くこともあったが毎度シスターに怒られそんな毎日を送ってなんだかんだ楽しく幸せだった。 しかし…ある日、王都の大貴族がシスターの美貌に惹かれ無理矢理奴隷として連れて行かれる。バルトロメウスは見過ごせずに行く手を阻むも何も知らない弱い子供のバルトロメウスは貴族の護衛の騎士に斬られ重傷を負う、間一髪でスラムの闇医者に助けられて目を覚ましたのは3日後…彼は自身の弱さを嘆きバルトロメウスの慟哭が響いた。 1ヶ月後、シスターが帰ってきたのだ。バルトロメウスは喜ぶのも束の間。シスターの目は虚ろで痩せ細り消沈しており最後の力を振り絞って孤児院にまで歩いてきたのだ、そして子供達をその目で見ることなくその日のうちに息を引き取った。 バルトロメウスは世の理不尽を知った。 そして決意した誰もが幸せな国を作ると端からは笑われる理想だろう だが、それでも叶える為に 旅は苦難の連続だった、彼の夢の為にスラム街の仲間達が協力した。ある日は友を亡くし最愛の母親代わりで愛していた人を亡くした。 何度も壁が立ちはだかり乗り越えそして死んで、裏切り、騙され、それでも歩んだ。 彼はいつからか世界中に悪名を轟かせる盗賊達を率いる軍団のボスとなり貴族達を震え上がらせ、貧しき者達にとっては義賊であり英雄の様な存在でもあった。そしていつか必ず理想の国…を… 瞼が重い、ゆっくりと目を開ける。 「あぁ、くそ…痛えな、体が重い、俺の右腕は……斬り落とされたんだったな」 参謀ローズ「バルちゃん!あなた目が覚めたのね、出血が酷い!治癒術師、ボスを助けるのよ」 「傷が深すぎる、どのみちこれはもう助からねぇよ」 「アンタ何言ってるのよ!皆で差別の無い国を作るって言ったじゃない、こんな所で死ぬなんて…許さない…許さないわよ!だから死ぬんじゃないよ!」 「泣くなよ、ローズ。その美しい顔が台無しだぜ」 「だってだって、アタシこんなの…スラムの皆が死んでいってアンタも先に逝くなんて」 「すまない、頼む……みんなに伝えてくれ俺は…俺は、幸せだったお前達にいつも助けられてきて俺にとってお前達は家族だった、愛してる」 体が重い目が見えなくなってきた、ローズの泣いてる姿が仲間達が泣く姿が見える。泣くなよ気張って見送りやがれ……… 《戦闘の詳細》 盗賊軍団は旧魔王城跡地に本拠地を構えて国を建国しようと動き出す最後の段階だったが、勇者に封印されし魔王が封印から完全に復活し同時に魔王軍四天王とその魔王軍の魔物が地から現れる。 本軍は乱戦状態になり、魔王軍の強襲攻撃で壊滅的な被害を負うも参謀ローズとバルトロメウスが撤退戦を行い、バルトロメウスは一人単身で殿を行った。 凄まじい強さで強大無比な魔王軍の魔物を蹴散らし四天王を同時に相手をする様は流石は魔王様を封印した伝説の勇者の子孫だと認めていた。 死闘の末にバルトロメウスは四天王の1番目と3番目を完全に殺し、自身は右腕と腹部に深い傷を受け撤退が終わり。参謀のローズに抱えられ戦線を離脱した。 《バルトロメウスの先祖》 人間の国の王都の元大貴族家の子孫にして伝説の勇者の子孫直系の一族だったが先々代の一族当主が先祖の功績を利用し国中の経済に混乱をもたらし他の貴族家に出し抜かれ落ちぶれていき、バルトロメウスの母親の代では準男爵ほどにまでなっていた。 王都の政変の派閥争いで暗殺者に狙われ我が子バルトロメウスをスラム街の孤児院に置いていき、その後暗殺された。 《封剣レーヴァ》 大貴族家に伝わる家宝にして伝説の勇者の聖剣、選ばれた者のみが扱える剣で一族の当主が管理していたが先々代の愚行により聖剣は輝きを失い封印されし剣となった。 準男爵にまで落ちぶれてもその剣を守り続け最後は我が子をいつか救うことになると信じ籠と一緒に剣を孤児院に置いていった。 バルトロメウスの死後、何らかの経路で大貴族家の勇者の分家の平民となっていた子孫の者に渡り聖剣は再び輝き魔王を倒した 後の古文書に伝説の勇者と記される者 バルトロメウスは使い手としては聖剣の意思も認めているが神聖光の力が成長する機会が無く覚醒しなかった為、封剣のままだった、しかしレーヴァの意思はバルトロメウスの死後、彼の強さと思いを享受し聖剣は更に強くなった。 《バルトロメウスの素質》 分家の勇者との比較 分家勇者 最大限界値 強さ:S 勇気:SS 体力:S 物理攻撃力:S 魔法攻撃力:A+ 属性耐性:B+ 精神力:A 評価:神話に勇者には及ばない バルトロメウス 最大限界値 強さ:EX 勇気:EX 体力:SSS+ 物理攻撃力:SSS 魔法攻撃力:SS+ 属性耐性(状態含む):EX 精神力:B+++ 評価:神話の勇者に匹敵するデミゴッド(半神)クラス 直系の一族だから全ての当主が強いという訳ではなく、バルトロメウスが歴代で最強の素質を持っていたというだけ。 バルトロメウスが最大限界値に至っていたら単身で四天王を全滅させ魔王と疲労で苦戦するも渡り合っていた+各地の総帥達が居たら一般兵の犠牲は出るが魔王に勝利していた。 《覚醒しなかった理由》 神話の勇者にしても唐突に肉体の内の勇者の力が目覚めて覚醒するという訳は無く、ある程度の修羅場を乗り越え邪悪な闇の存在と接敵した場合に部分的な覚醒をする場合がある。 バルトロメウスの場合は魔王が復活する以前に生まれて育ち魔物は人々からお伽噺の存在として認知されていた、一部の魔物は隠れ住んでいたり、または貴族の奴隷となっていた。 その為、バルトロメウスの戦闘の経験は対人戦が多く邪悪な魔の者との戦闘は魔王が蘇った瞬間の魔王軍戦が本格的に魔物と殺し合い戦った最初で最後の経験だった。 RPG的な例え最大値がLV100と考えて 神話の勇者の敵 魔物LV30〜LV90 バルトロメウスの時代 人族LV10〜LV30 一際強い将軍でLV50 例えで表すとバルトロメウスはLV80くらい、ほぼ独力と鍛錬と対人戦の経験。神聖光属性が覚醒してないため最大限界値よりは全然弱い