研究所のパソコンにこんなデータが残っていた 記録者 田中 大吾郎ノ助三郎 記録 このウイルスは【田中ウイルス】。 なぜ【田中】と言う名が付いたのか。 それが気になる者もいるだろう。 理由は至って簡単。 このウイルスの第一発見者、つまり私が田中だったからだ。 実験用マウスに田中ウイルスを一体注入してみた。 するとマウスの体が一瞬にして消えてしまった。 田中ウイルスは感染したものを一瞬にして自らと同じ存在に変えてしまうらしい。 まだワクチンや薬などは作れていない。 何にせよウイルス本体が強すぎてどんな薬を投与しても何の変化もなし。 それどころか使ったその薬もウイルスに感染し、消えてしまったからだ。 このウイルスの研究は一つ間違えるだけで一瞬で命が無くなるとても危険な研究なのだ。 だが私は研究を続ける。 いつかこのウイルスが消えると信じて。 私が死んでも後に生かせる研究結果を残せたら良いと思っ ここで記録は終わっている。田中教授は行方不明だ。