"私たちを見守るもの"は対象が息を引き取ったと確認次第、消失する。 しかしタバコだけはその場に残しているため、そのタバコだけが"見守るもの"が出現した唯一の証拠となる "私たちを見守るもの"は、孤独な、しかし真っ直ぐに生きてきた人たちの最期の20分を、せめて寂しくないようにやってくる。 "見守るもの"がいつから現れ、孤独な人を看取っているのかは未だに判明していない。 "見守るもの"の持つ特徴と類似点の多い存在が世界中の歴史、神話、文化などに描かれている事が確認されている。。あるものは数千年前のもので、あるものは人類の文明を優に超えたものもある。 "見守るもの"は遥か遠い昔から、我々人類を見守ってきたのではないだろうか。 孤りな人を看取り、独りな人を見届けてきた。 彼が最期にいたお陰で、とてもちっぽけな、だが確かにそこにあった歴史が誰にも知られず消え去ることなく、確かなものとなった。 だから、昔の人々はその歴史の証人を歴史に刻んだのだとしたらどうだろうか? 願わくば、私たちを幾千年もの間見守ってきた彼の歴史が、後世に残りますように、と。 SCP-4999 "Someone to Watch Over Us" 『私たちを見守るもの』