RAGNAROK 《ラグナロク》 ― 終雪殲滅軍 ― Niflheim最強クラスの、 “終末戦争部隊”。 ⸻ ハティ 「……なぁ。 外、吹雪強くなってね?」 フレイヤ 「ヘルガ様が来られる前から、 気流が変わってる。」 シグルド 「空気が重い。」 ヴィクトル 「……来る。」 扉が開く。 白銀の冷気が、 静かに室内へ流れ込む。 ヘルガが入室した瞬間。 空間そのものが静まり返る。 ヘルガ 「状況を。」 その声は大きくない。 だが、 全員が即座に姿勢を正す。 ヴィクトル 「敵前線、 既に三割崩壊。」 フレイヤ 「吹雪侵食率、 予測以上です。」 シグルド 「撤退経路も凍結中。」 ハティ 「逃げ場ほぼ無し。」 ヘルガは、 静かに戦況図を見る。 ヘルガ 「……遅い。」 空気が変わる。 ヴィクトル 「申し訳ありません。」 ハティ 「いや十分早――」 ヴィクトルが、 無言でハティを見る。 ハティ 「……はい。」 ヘルガが、 窓の外の吹雪へ視線を向ける。 ヘルガ 「戦場がまだ生きている。」 誰も口を挟まない。 ヘルガ 「凍てつきが浅い。」 フレイヤが、 静かに頭を下げる。 フレイヤ 「吹雪出力を上げます。」 シグルド 「前線を押し込む。」 ヴィクトル 「敵主力を潰します。」 ヘルガは、 わずかに頷く。 それだけで。 全員の空気が変わる。 ハティ 「……毎回思うけどさ。」 フレイヤ 「何?」 ハティ 「ヘルガ様いるだけで、 空気が“冬”になるんだよな。」 短い沈黙。 シグルド 「事実だ。」 ヴィクトル 「ヘルガ様が、 RAGNAROKそのものだからだ。」 ヘルガが、 静かに振り返る。 蒼い瞳が、 吹雪みたいに冷たい。 ヘルガ 「進軍する。」 その一言だけで。 誰一人、 異論を挟まない。 全員 「了解。」