『コウライ』の真核者 謎の集団『アンダーヘヴン』 真核者の一員となった男 彼は体を作り替えられる前まで古流剣術を極めたこと以外は全て普通の人間だった。 身につけた武を自ら自慢したりせず謙虚で大人しい平和主義な性格。 だがある日いつもの酒屋で酒を嗜んでいるとローブを着て深くフードを被った男から 「s町の剣神と呼ばれた現代の侍、ジン様でありますね?少々時間を頂いてもよろしいでしょうか?」 そう呼ばれて店の外で色々質問された 主に「私は古流剣術の達人に興味があるのです」や「もし予定が空いておられるのであればジン様の剣術をこの目で見せてもらいたいのです」そして「私はこのような者でして」と名刺を渡してきた 名刺には『カルナク』という名前の他に『真核者』や『祝福者』という文字が見えた。 全く見たことも聞いたこともない単語だったが酒も入っている上、その謎の男からは敵意を感じなかったため特に違和感を抱くこともなくその場は解散した。 そして気になった俺はその名刺に記載されていた番号に電話し再び『真核者』について、そして『カルナク』は何者なのかについて興味が湧き軽く聞いてみた。 すると相手は全て見通していたかのように『ならば明日の午後6時、あの酒場の隣の裏路地で待っていてください』とのみ言い残し電話を後にした。 午後6時も過ぎ暗くなってきたが未だに『カルナク』は現れない。 もう帰ろうと思ったジンは地面から腰を上げたが次の瞬間現れたのは歓迎されていないゴロツキ共だった、ジンは護身用の小刀を持っていたが結局それを使うことはなかった。 なぜならその時丁度ローブ姿の『カルナク』が現れゴロツキ共を不思議な力で消し去ったからだった。まるで一瞬の閃光と共にゴロツキは消えたようだった。 ジンは目を丸くしていると「これが真核者なのです、そしてこれが真核者の役目、それが平和維持及び世界への改革を為す者、その力を持つ“真なる核“の保有及び資格を持つ人間のみが真核者へとなれるのです」とフードを外した『カルナク』が声高らかに語った。 ジンはあまりの異様な光景と『真核者』への恐怖に小刀を腰に携えたまま走り出して逃げたが『真核者』の『カルナク』からは逃げられず捕らえられ一瞬にして別の場所へと瞬間移動させられたようだった。 そのアジトらしき場所は自分以外に 『ムキムキのタンクトップの男』 『ティーンエージャーの派手な格好の女』 の2人がいた。 どうやら『カルナク』の仲間らしい。 そして『ムキムキの男』は明るく「おっ!カルナク、前話してた刀マンってのはそいつか?お前があんなに楽しそうに話すくらいだもんな!でもそいつ刀持ってねえぞ?」 と言うと 『派手な格好の女』は「あんたバカ?常に刀持ってるような人間をカルナクが連れて来ると思うかハゲ、だからお前の長所は筋肉だけなんだよ」と、 『ムキムキの男』は『なんだと!?おめえこそ真核者になる前はただの小娘だったろ!てか俺はハゲじゃねえ!坊主だ!』 とふざけた会話内容から様々な情報が見て取れる。 この状況とその発言から自分の運命が脳内で補完されていく。 結果は予想通りだった。 『カルナク』は「これも巡り巡って結果的に貴方のためになります。 私には貴方の力が絶対に必要なのです、 そして彼らも私の協力者です。 私には貴方の中に強い“武士“としての核を感じたのです。 核の保有者として真核保有の試練は恐らく合格されるでしょう、 ですが問題は真核へと達する際の症状でしょうね。 この症状は人によりかなり違うのですが全員に共通する点としては肉体の変化の際に起こる生きるか死ぬかの激痛と肉体へのショック現象です。 核を待っている者とは言えこれらで約8割命を落としてしまわれるのです。」 と言うと『ムキムキの男』は「そうだぞ〜、あん時はマジで死ぬかと思ったぜ。全身が一度真核者の肉体に進化するってんの?もういてぇのなんの」 と言うと 『派手な格好の女』は 「まぁ、痛みなんてすぐ過去の物になるわよ、生きていればね。」とスマホを弄りながら冷たく言い放った。 『カルナク』は「準備はよろしいでしょうか?ジン様」と体が見えない何かで拘束されてそのまま“試練“を開始した。 「俺は真核者になどなりたくもない、そして世界への革命も全て興味ない……早くこの恐怖から解放されたかった」 そんな思いも彼らには関係なかった。 試練開始と同時に『カルナク』は光の籠もった手を心臓部に当てた後、すぐに俺から離れた。初めは無の境地とも言えるようななんとも心地よい感覚だったが次の瞬間全身が高圧電流で焼かれるような感覚と体が爆散する痛み、そして体を作り替えられる肉体へのショックですぐ意識が飛ぶがあまりの痛みに気絶する間もないくらいの早さで目が覚めた。 『派手な格好の女』は「うげぇ……うちのときあんなにヤバかったっけ?今回の侍結構エグい系の人…?」 と言うと 『カルナク』は「ええ、彼は古流剣術の達人なのです、真核者として与えられる能力と彼の“核“との相性がよければそれはもう彼は最強の侍となるでしょう。」 という言葉を聞き「俺は侍じゃねえよアホ」と頭の中で反論したのを最後に遂に深淵へと意識が落ちた。 目が覚めた時にはあの同じアジトらしき場所だったが何故か異常に頭もスッキリしていてなにやら体も軽い。 どうやら『カルナク』はあれからずっと俺の様子を見ていたらしく目が覚めた俺に『カルナク』は手を差し伸べてきたが至って無事で健康の自分は自身の力で立ち上がり近くにある割れた鏡を見てみた 服や目、髪が赤黒く変色しており所々電気を帯びているようだった。 『ムキムキの男』は 「うぉっふぉー!!!カッケェ!!マジで羨ましいぜ!!なぁなぁなぁ刀マン!刀構えてみてくれよ!いいだろ!?なぁ!」とハイテンション 『派手な格好の女』は 「この侍さんどんな核してんのよ、ビリビリと伝わってくる覇気だけでもうウチとハゲよりも確実に強いって分かるんですけど……。そんでもってアンタははしゃぎすぎ!」 と焦りと少しの嬉の感情を抱いている様だった。 『カルナク』は 「ようこそ、我々真核者のアジトへ、これからは共に世界を相手する同志です。 “紅雷のジン“」 と告げた。 そして考えもクリアになっていた。まるで最初っから「真核者としてついに世界をひっくり返すことが楽しみになっていたような“高揚感と共に“」