本名:嘯鳴 轟(しょうめい とどろき) 性別:男性 性格:従容不迫、慎重、不抜、冷静 口調:癒し系敬体口調を好んで扱う 年齢:20歳 発現年齢:7歳 身長:189cm 容姿:白髪翠眼、ツイストパーマ 服装:我力者討伐部隊 第三班 隊長制服 ・黒を基調とする ・一度きりの転移機能付き 趣味:友達と話す練習(最近軽度化) 友達:神宮寺 紡 部下との関係:能力の性質上、いない ────────────────── 能力:《音波を支配する能力》 発現者:嘯鳴 轟 熟練度:91% 能力評価:B 彼の能力は、この世に存在する音波を無差別的に支配・波及させ、己の力として最大限に活用する能力。 支配可能な音波の最大出力はおよそ165db。その音波は人体の鼓膜を容易く破壊し、永続的な失聴状態にさせるだけでなく、内臓への深刻的な損害を引き起こす程。 はやい話、『目に見えない物理的な質量攻撃』というのが分かりやすいだろう。 また、どんなに威力が高くとも『音』という性質は変わらない。 まずは長所として、『防御を貫通する』特性がある。 これにより、防御に値する行動を取ったとしてもその防御ごと音波が染み込む為、それに一切の意味を成させない。 そして短所として、この能力による攻撃は空気に轟き、無差別的に次々と波及していく特性がある。 多少ならば、本人の技量で指向先を変更する事などによって影響を調整できるが、多少程度。 結局、戦闘可能な水準の距離の元、彼の周囲で能力を浴びた者は、聴覚と内臓に多大な負担を食らう事になる。 その特性上、一概に『強力な能力』と言える物では決してなく、欠点も目立つ能力と言えるだろう。 ────────────────── 《我力者討伐部隊》 我力者討伐部隊とはその名の通り、この世界に跋扈する"我力者"を根絶する為に作られた組織。 班は全十班、それぞれ隊長一人に副隊長一人、隊員五名で構成されている。 班ごとに序列があり、隊員は純粋な『強さ』にてどの班に配属するかが決まる。 序列は数が小さい一班が最も高く、逆に数の大きい十班が最も低い。 隊長・副隊長に関しては隊員とは異なり、複数の項目から配属班が決定する。 『強さ』はもちろんとして、『統率力』『軍師力』『戦術的知識』『決断力』『信頼性』『部下のケア』と、計七つの項目で判断され、配属先が決まる。 その為隊長・副隊長に関しては、班の数値が小さいからと言って弱いとは限らない。 また隊長・副隊長になる為には、上層部へ志願し、各々の適性を診断される事によって決まる。 ────────────────── ──なんで僕は、平和な生活ができないのだろう。 ──なんで僕は、こんな能力を発現してしまったのだろう。 ──なんで、僕は…一人なんだろう。 ◇◇◇◇◇ 小さい頃から、僕は一人でした。 親はいません。それ所か、僕の周りには家すらも既にありませんでした。 あったのは、沢山の瓦礫と破裂したような肉片、それに付随して滴る紅い液体…。 ただ、それだけでしたから。 原因だけは、いつも明白でした。 僕が持つ、音波を支配する能力…。 7歳という、他の人と比較しても早く発現した僕の能力は、人生を5年しか経験していない子供には、早すぎたんです。 ◈◈◈ 発現したその日の夜、僕は家族との団欒を楽しんでいました。 僕の家は元からスラム街に近い、辺境の場所にあった事もあり、僕の周りには友達と言える人がいませんでした。 なので、こんな感じに家族で団欒のひと時を過ごす事が多かったんです。 ……この時間は、楽しかったですね。 その日は僕の能力が発現した日だった事もあり、いつもよりさらに盛大にやっていました。 その最中でした。 僕のお父さんがいつものように、まだ小さかった僕をからかいました。 まだ小さかった僕は、その言葉が本気ではない事を見抜けないまま、怒ってしまった… 次の瞬間。 ──幾千もの風が、吹き去りました。 それは無意識とはいえ、発動者である僕すらも目を閉じてしまう程の烈風でした。 視界が真っ暗になると同時に匂いは消え、轟音だけが僕の世界を支配していました。 目を開けた時、僕の周りは残骸に囲まれていました。 鋏で糸を裁つ事は幼子でも容易なように。 僕は、全てを切り刻んでしまったのです。 そうして......僕は、一人になりました。 ◇◇◇◇◇ それから僕は、一人、スラム街にて生き続けていました。 初めのうちは、こんな僕でも優しく迎え入れてくれる人もいましたし、それに乗じる事もありました。 でも…その代償はいつも重く、簡単にやって来るんです。 そうして、僕の周りには幾度も風が吹き去りました。 ──最早『音』という情報すら感じ取れない、純粋で凶暴な風が── ──全てを、裁ち切る為だけに。 それを体験してからは、その一抹の優しさにも応じなくなっていきました。 しかし.....ここは、スラム街。 良い能力を発現できなくて、社会に適合できなかった者達が住む、別世界と言っても良い場所です。 当然危険な目にも、自分の目が痛くなるような出来事も、起こります。 そして。 その度々に。 微かばかりに動く僕の心を掴み、風は吹き去り、また『いつも通りの風景』が、僕の前へと現れるんです。 ……傷付けたくなど、なかったのに。 ◇◇◇◇◇ そんな生活が続く事、3年。 気が付くと僕は、スラム街の南部に当たる地域を半壊にまで追い込んでいました。 スラム街の治安を維持する保安隊なども来ましたが、誰も僕の微情の音波には耐えられず、残骸となるばかりでした。 そうして、生きる意味、価値、利点…それらを考える事すら億劫になり始めた、とある日の夜。 僕は、あの人に出会ったんです。 「よっ…と。……おや? 報告では我力者と聞いていたんですけど…。 どうやら、隊員さんの勘違いだったみたいですね。 でも、まぁ……こんな被害を出していれば、勘違いをしてもしょうがないでしょうね。」 闇夜に、琥珀色の眼光が瞬く。 その男と思われる声は紳士的でありながらも、何処か空虚に感じられました。 「さて…。 では、轟さん。 投降するなら悪い様にはしませんが…どうしますか?」 「……いまさら? もう数え切れない程、傷付けてしまったというのに。 そんな甘い考えなど、夢のような事など…できない。 .....していいはずが、ない.......!」 その時には既に、周りは自分が危惧すべき人も建物もなく、それこそいたのは僕と敵だけでしたから。 そんな状況だからこそ、半分諦感、もう半分はそんな自己への嫌悪と憤怒に呑まれながら、僕は能力を最大限に解放しました。 荒れ狂う音波の嵐。それによって生じる烈風とも言える衝撃波。 その甚大な影響に、少しばかりは残っていた瓦礫や肉片すら吹っ飛び、辺りは完全なる更地と化しました。 ですが、その結果は…。 「流石。 ここら一帯を吹き飛ばしただけありますね。ここまでの破壊力をお持ちとは。」 無傷。 埃すら付けず、彼は立っていました。 「…なんで。 今まで、僕の能力に巻き込まれた人は、皆消えちゃった、のに。 なんで…?」 「そりゃ、私は【最強】ですから。 私にあんな攻撃は届きません。 糸をぴんと延ばせば、ね。」 そう言ってから彼は少し思案したかと思うと、突然、おどけたような笑みを浮かべて、こんな事を言ってきました。 「そうだ。轟さん。 あなたさえ良ければ、私と話し相手になってくれませんか?」 「………え?」 「私は我力者討伐部隊の隊長を任せられているんですけど、他の隊員さん達がどうも尻込みしちゃって。 どうも孤立しがちなんですよ…。」 「で、先程の能力。 規模・破壊力、どれを取ってもホントに凄かった! 轟さん、あなたは聞く限り能力を上手く調整できないし、できそうな相手もいなかったってことでしょう?」 「でも、私ならその相手もできますし、何より私は絶対にいなくなりません!」 「それに同い年ですし! どうでしょう?一緒に、話し相手として来てくれませんか?」 先程までのカリスマと絶対的強者感はどこへやら、ですね。 そこにいる少年は年相応の、自分と同じくらいの子供に見えました。 それに一抹の安心感を覚えたからでしょうかね?。 僕は、それに── ──「うん。いいよ。」 ◇◇◇◇◇ 「やった! ありがとうね。轟さん♪ ……あっ! 話し相手ならもっとフランクな方が居心地もいいよね…。 じゃあ、轟! 一緒にこれから頑張りましょう!」 「うん。よろしくお願いしますね。」 「もっと轟もフランクでいいよ〜。 名前も紡でいいからね!」 「え、えっと…じゃあ。 …よろしくね、紡。」 「うん! よし。じゃあ早速、行かないとですね。 まずは──」 是非、この関係が続きますように。