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【万象の魔女】

「█████は凄いね〜。もうこの魔導書を読破しちゃうなんて。」 「うん!私、大人になったらママみたいな立派な魔女になりたいの!」 「あらあら、ふふっ…そうね。█████ならきっと魔女になれるわよ。」 小さい頃から私は魔女を目指していた。美しい魔法を使う母親に憧れ、私は沢山の魔導書を読み漁り、魔法の練習をしてきた。 「私、世界で一番強い魔女になってみせるから!」 そんな事を豪語していた。しかし、現実というのはそう簡単な物では無かった。 大人になり無事魔女となった私だが、実力というのは持ち合わせていなかった。色々な魔女と戦ったが、どれの一つも勝てた事は無かった。 「魔法による知識があっても、貴方は技術が追いついていない。」 「まだまだね。アンタじゃ到底アタシには勝てないわ。」 「所詮無名の魔女。じゃ、私はこれで。」 魔女達の言葉が常に脳裏を過ぎる。私は既にプライドが折れ、次第に魔法を嫌うようになっていた。 ある日、気分転換で外を散歩していたそんな時、ローブに包まれた男性に話しかけられる。 「怪しい者ではございません。私はただ、導きのままに貴方に会いに来たのです。」 ……いや、怪しすぎるでしょ。と最初は思っていたが、言葉を交わす度に私は彼に心を許し、今の私の事情を彼に話した。 「そうか、そうか…であれば、ここから更に北にある洋館に言ってみるといい。何、行けば分かります。」 そう彼は言い残し去っていった。 私は彼に言われた通りに洋館を見つけ、中に入る。どうやら洋館自体が書庫だったようで、中には大量の魔導書が収まっていた。…しかしどの本もタイトルが支離滅裂であった。【神奈月に鉛筆を添えた慟哭を】【月光の怨嗟を飲むカタツムリ】などタイトルだけでは内容を理解出来ないモノばかりであった。私はとりあえず適当に一冊手に取り、読んでみる事にした。 するとどうだろうか。本の内容は、私が想像出来ない…いや、想像する事すら許されないような知識、知識、知識知識知識知識知識 「あぁ!そうか!そんな事実が!こんな魔法が!はは、はははははははは!!!!!!!」 あれから何年、何十年、何百年が経っただろうか。年月が経つにつれ、私の脳は全ての本を理解出来る様になっていった。 「ははっ、ははは…!ようやく全てを手にできた。これで、これで私は魔女として最高峰に君臨した!! …手始めに、私を無下にしたあの魔女共を殺してやろう。その次は…そうだな。この私を否定した出来損ないの星を破壊してやろう。」 全ては、この本が指し示す通りに