ぐるぐる回る、ぐるぐる回る。 四匹の虎は戦利品を奪い合ってぐるぐる回る。 その紫の靴はオレのもんだ。 その赤い上着はオレのもんだ。 その青いズボンはオレのもんだ。 その緑の傘はオレのもんだ。 四匹は互いに譲らず、木の周りをぐるぐる回る。 回り回り、回り果てて、四匹の身体はドロドロに。 最早どこが自分の身体なのか分からず、 四匹は纏めて一匹になってしまった。 でも、それはむしろ好都合でした。 何故ならいがみ合う必要がなくなったのですから。 戦利品を独り占めした気分になった虎は気付きます。 おや、あのチビがまだいるじゃないか。 四匹、いや一匹は走り回ったせいで腹が空いていました。 丁度良い、小腹を満たそうか。 油と化した虎が号泣する裸の子供へ襲い掛かりました。