『ミタアザラシの見通しが甘すぎた』 この白くてまるまるとした可愛らしい生き物はミタアザラシといい、主に北極をはじめとした流氷地帯に生息する小型のアザラシです。 体長は4~5cm程度、体重50gと小さく、あのアブラコウモリの小ささとプティングカラーのジャンガリアンハムスターの重さを併せ持ち、見た目は雪見だいふくに小さな手足とつぶらな瞳がくっついた何とも言えない姿をしています。 この動く雪見だいふくはその美味しそうな見た目に違わず非常に美味で、流氷地帯の生態系においても最下層にあたる生き物です。 しかし、この残念な生き物にも驚くべき特技があります。それは危険を察知するとその体表から飴色のぬるぬるした体液を分泌させる事です。 この体液はみたらし団子のタレのような甘じょっぱさがあり、自然界…それも極寒の流氷地帯においては不自然極まりないものであるため、シャチやシロクマも警戒して離れてしまうのです。 この体液のおかげで難を逃れ続けてきたミタアザラシですが、この体液が皮肉な結果をもたらす事になったのです。それは… 『想定以上の恐ろしい生物を寄せてしまった』 その恐ろしい生物というのは…皆さんも良くご存じの『人間』です。 (参考画像にルビィちゃんが選出される) 他の野生動物にはない飽くなき食への探求心を持つこの恐ろしい生物から見て、ミタアザラシはどう見えるでしょうか? どう見ても雪見だいふくです。 では、特技である体液を分泌するとどう見えるでしょうか? …大きなみたらし団子にしか見えません。 次の瞬間にはこのみたらし団子は人間の中に招かれてしまうのです。 そして、彼らの美味しさを知ってしまった人間がこのままで終わらせるはずはありません。 たくさんのミタアザラシがお持ち帰りされ、そして様々なスイーツが今も考案され続けているのです。 これが出会ってはいけない出会いをしてしまった、何もかもが甘すぎた生き物『ミタアザラシ』です。