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【不死不老】八幡まらは

 「おや…、君がワタシを守ってくれるのかな?」  血に塗れた顔で彼女、いや……化け物は微笑む。  ___ハァァ〜〜〜……、、、  そんな感じで深々と溜め息をつく女性、そんな私の名前は角富洋子(すみとみ ようこ)と申します。ただの一般的なオフィスレディーです。  まぁ、一つだけ一般的でない点を挙げるとすれば……  「はぁ…!、今月分が支払えない!?」  上司が叱咤の声を挙げる、私の勤めている会社はいわゆる民間金融なのですが、それも"グレー"な方の金融会社なんです。  「払えないなら内蔵を売るか!、自分の娘を売り出すのが筋ってもんだろがッ!!」  ___ガンッ…!  叩かれた机上、その物音に私の肩がビクッ…と跳ね上がる。  「ったく!」  ___ガチャン…!  上司が電話の受話器を乱暴に叩きつける、私は息を殺して自分のデスクワークに没頭した。  「ちょっ、洋子ちゃん!、ちょっと来てみぃ」  「ひぇ……、私ですか!?」  「他に誰がおるん…?」  この事務所には私と上司しかいない、上司が大方の契約を担当して、代わりに私が契約書類や返済期日の調整をする。働く人数こそ少ないが、取り扱っている契約の規模が小さい分、なんとか最低限の運営は保たれている感じである。  「ほら、早くきぃって!」  「は、はひぃ……!」  私は猫背になりながら恐る恐る上司の元へ駆け寄った。  ___スッ…!  何かの書類を差し出された。  「ほら、この前に契約に来なはった鈴木さん、なんか連絡が取れへんから今から回収に向かってや」  「へっ……?、私がですか!」  何度も自分自身を指差して確認する。  「悪いけど、今晩は組長さんとの飲みがあるさかい、こればかりは外せんのよ!」  「じゃ……、じゃあ明日に回収に行けば……」  ___ガンッ…!  「ひぃっ…!」  「こちとら約束の期限から1週間も過ぎてんのよ、これ以上はこっちの面子ってもんがあるやろ!」  「そ、そう言われても私一人でなんて無理ですよ〜!」  「大丈夫よ、相手はボケの回った年寄り一人なんやから、サッサッと金目のものだけ回収して帰ってこればいいだけさ」  「と、ところで回収金額は……?」  「ざっと、まぁ50万ってとこやね」  「ご、50マン……!」  「ほら、何ボサっとしとんの!、早く行きぃや!」  「は、はぃ……!!」  上司に言われるがまま、私はこんな真夜中に契約金の回収へと向かった。  ___ブロロロロロロ……  停車した車から鳴り響くエンジン音、私は気の進まない面持ちで車のエンジンを切った。  ___ガチャン…!  寒空の下、私は古びた2階建アパートの方を見る。  港の近くに建てられた鉄骨部分が錆び付いたアパートの2階、そこに私は向かわねばならないのだ。  「はぁ…、早く用事を済ませて帰ろ……」  錆び付いた鉄製の階段を登る。  ___カン…、カン…、カン…  鉄製の簡素な造りの階段、一歩登るたびにヒールの踵部分から音が鳴り響く。  「えと…、鈴木さんの家は……」  私は暗闇に見えるドアの部屋番号を数える、どうやら1番奥の部屋が今回の目的地であるらしい。  ___カツ、カツ、カツ、ピタッ……  ドアの前まで来た、近くに港があるせいか夜風が冷たく私の足元を撫でる。港から出港する大型船の汽笛を聞き流しながら、私はドアを軽い力でノックする。  ___コンコン  「鈴木さーん、いらっしゃいますかー?」  反応が無い、もう一度。  ___コンコン  「鈴木さーん、いらっしゃいますかー?」  やっぱり反応は無い、私は仕方なく引き返す事にした。  先程に登ってきた階段を降りて、回収できなかった不始末をどう上司に説明しようかと悩みながら自分自身の車に乗り込んだ。  エンジンを掛ける。  ___ブロロロン…ッ!  私はハンドルを握った、  「ハァ……、この仕事やめたい…」  そんな本音がつい口元から溢れてしまった。しかし、それでも状況は変わらない為、私は諦めて己の車を発車させる。  「えーと、来た道はたしか……」  路地裏を縫うような帰り道、来るのも大変であったが、やはり帰りも面倒な道のりであった。  「んー、たしか……」  何度目かの見覚えがある路地を通り過ぎて、私はどうにか大通りに抜けられそうな道を見つけた。  「ハァ、助かったぁ……」  私は車を走らせる。  ___すると、、、  「へっ……???」  気が抜けた一瞬の出来事、私の車線を遮るように制服を着た学生らしき少女と目が合った。  咄嗟のブレーキ、間に合わない。  ___ドンッ……!  鈍い、それでいて確かな重みを感じる物音と共に少女が数メートル先まで吹き飛んだ。その時、私は見開かせた目を逸らす事が出来なかった。  ___ドシャ…!  人体がアスファルトに打ちつけられた音が聞こえた。私は一瞬だけ呆然としていて、その次の瞬間には混沌とした感情が押し寄せた。  「ど…、どどど、どうしよう!」  両腕で頭を抱えた、そして気づく。  ___ハッ…!  「き、きき、救急車…!、キュウキュウシャ!」  混乱したままの頭で自分自身の鞄をひっくり返してスマホを探す。早く!速く!疾く!捷く!はやく!  その合間にも心臓の鼓動が不自然に静かになっていく感覚、自分の直面した事実に肝が冷え、指先もまた氷のように冷えていく。  ___息が……、うまく吸えない…!  「も、もも、もしもし…!」  スマホを見つけた、震える手で"119番"を押した。携帯から聞こえるダイヤル音、なかなか掛からない電話に苛立ちすら覚えた。  ___ヤバい!ヤバい!ヤバい!  そんな私の乗った車、そこの窓を誰かが叩いた。  「イマ取り込み中なんです!、ほっといて下さい……えっ??」  先程に轢いた筈の少女、制服を真っ赤に染めてこちらを見ていた。  「へっ……?、へっ?、へっ…??」  ___少女は言った。   「おや…、君がワタシを守ってくれるのかな?」  血に塗れた顔で彼女、いや……化け物は微笑む。  ちょうど電話が繋がった。  ___【火事ですか、救急ですか?】  「えと…、えと……」  言葉に詰まっていた折、あの少女が車の助手席に躊躇いなく乗り込んでくる。  そして、電話を取り上げた。  ___ピッ…  「すまないが、少しばかり追われている身でね。君の脚を借りたいのだが、良いだろうか?」  「へっ……??」  遠くからの人影。  「居たぞ…!!」  ___パンッ!、パンッ!  突然、深夜に鳴り響く銃声。私は半狂乱でアクセルを踏み出す。  「イィヤァァアアアァアア……ッッ!!!!」  タイヤが地面との摩擦で白煙をあげる中、私は猛スピードでこの場を走り去って行った。  「どうしますボス!、相手は脚を使ってますぜ!」  「だったら、こっちも車を回せ!、絶対に"あの化け物"を逃がすな!」  「はっ…!」  大通り、私は巨大なビルが立ち並ぶ商業地区を走っていた。  「もうイヤだ……、絶対この仕事やめる、絶対にこの仕事やめてやるんだから…!」  そんな風に半泣きになりながら独り言を呟いている私、それに反して助手席の少女は落ち着いていた。  「ふふっ、そう事を急くのも良い事ばかりとは言えないぞ?」  そう言って笑みを溢した少女、まるで轢いた時の傷が嘘であったかのように元気である。  「あの……、よければ病院とか……、」  「そこはダメだ、ワタシはそこに行けば捕まってしまう。」  「えと、何から逃げてるんですか…??」  私は、気になって聞いてみた。  少女は微笑む。  「ふふっ、人間の欲望からさ…」  ___欲望……??  「えと……、どこか偉い人の娘さんとかですか?」  「まぁ、昔はな……。今は違う、奴ら……いいや、ワタシを捕まえようとする連中の考える事はいつだって単純明快だ」  少女はこちらに視線を送り、そして笑う。  ___【不老不死】という存在を知っているか……?  ___天空を駆けるヘリ  「ボス、目標を見つけました!」  「よし、そのまま監視を続けろ!、それと周囲への被害は考えるな!、どうせ奴は不死身だ!、どんな手を使ってでも捕獲しろ!」  「はっ…!」  ___作戦決行である。  ___んっ…?  少女が車の窓、そこから見える外を覗く。  「ど、どど、どうなされましたか…!」  「ふむ、さすがに奴らも本気というわけか…」  ___へっ……??  「……来るぞ」  大通りを強引に蹴散らした後続車両、バックミラー越しに猛スピードで迫り来るのが分かる。  「ハハッ、周囲への被害はお構いなしか……!」  なんだか少女は楽しそうに笑う。  「死んじゃう……、ほんとに…本当に死んじゃう……!?」  「安心したまえ、ワタシの"護衛"が到着するまでの時間稼ぎが出来ればそれでいい、簡単な話さ」  すると、私の後ろ向きな言葉を無視するように少女は前向きな面持ちで助手席から伸びた脚がアクセルを目一杯にベタ踏みする。  「イィヤァァアアアァアア……ッッ!!!!」  運転座席の速度計が時速180kmで振り切れた、絶叫する私に反して少女は大変愉快そうに笑っている。  「アハハハハハハハ…ッ!!!」  少女の笑い声、死神が囁くように私の耳に木霊した。  ___うぅ……、んっ?  私は暗闇で目を覚ました、此処は……??  「ふふっ、気が付いたか」  少女がいた、廃墟ビルの柱にもたれて休んでいる。  「私……、どうなって……??」  ___頭が痛い、それに……血…?  私の額から垂れ落ちていく血、古びたコンクリートの床を赤く染める。  「車が運悪く、この廃墟ビルに突っ込んでしまってな。手負いの君を運ぶのには結構な苦労をしたよ」  ___と、よく見てみたら少女の衣服が消し飛んでいた。  すると、少女は笑う。  「いやなに、爆発から君を守った際に全身丸焦げになってしまってね……。久しぶりにクリスマスが訪れた日に焼かれる七面鳥の気分を味わった程度の話さ」  「そんな程度って……、そんなの……痛ッ!」  ___少女は笑う。  「あまり動くな、傷がさらに開くぞ。それに君とワタシでは【致命傷】という言葉の軽さが違う。」  少女は微笑む。  そして、その"頭部"が吹き飛んだ。  ___パァン……!?  「キャアァァァァァァァァァァァァァァァァァアァアッッ!!?」  私の叫び声、首から上が真の意味で消し飛んだ死体が床に勢いよく倒れ込む。そして、次の瞬間には武装した集団が廃墟ビルの一室に雪崩れ込んできた。  「手を挙げろ…ッ!!」  「ひ、ひゃい……!」  私は言われるがまま両手を上に挙げる。  ___ガンッ…!  後頭部で発生した痛み、アサルトライフルの銃床で殴られた衝撃で私の頭部に負った傷口が開く。そのまま私は痛みに抗えず床へと倒れ込む。  「手錠をかけろ!、コイツらは生け取りに……」  その時、誰かの笑い声が聞こえてきた。  「はははッ、先程の狙撃は良い腕前だったな…!」  ___ムクリ…!  死体が動き出す、吹き飛んだ筈の頭部が高速で復活していく。誰かが叫んだ。  「撃てェ……ッ!!」  ___ダダダダ……!!  少女一人の肉体が一瞬のうちに蜂の巣と成り果てていく。しかし、少女は立っていた。  「ば、バケモノ……っ!!?」  「安心したまえ、致命傷だ」  少女が不敵に笑う。そして、、、  ___ドガァン……!!  廃墟ビルの一部が爆発の衝撃によって崩れ、建物全体が大きく揺れる。  武装部隊が困惑と恐怖の声を挙げた。  「な、何が起きているんだ!」  「ふふっ、ようやく到着したか…」  少女が呆れたように呟く。  「紹介しよう、これが私のボディガード達だ」  ___ダァン…!  次の瞬間、巨大な物体が壁を突き破って武装部隊に突進を仕掛けていく。  「オオオォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッ!!!」  "巨人"とも呼ぶべき巨躯が武装した集団をいとも簡単に薙ぎ払っていく。  「ひぃぃぃ……!!」  逃げようとした一部の隊員が部屋の出入口へと走っていく。しかし、それは悪手であった。  ___バァァァァン…ッ!!!  入口が爆破された、それに伴って付近にいた者も無差別に吹き飛ばされていく。  「ふふっ、相変わらず派手な演出が好きだな」  ___ザッ!ザッ!ザッ!  彼女の護衛が大勢、また大勢と彼女を囲むように現れた。  そして、少女は笑う。しかし、先程の爆発で勢いよく飛んできた破片が頭部に突き刺さって派手に出血していた。  「あっ、お嬢様…!、お怪我をさせてしまって誠に申し訳ございません!」  「構わんさ、出血大サービスという奴だ!」  周囲からドッ…と笑い声が挙がる、彼女なりのジョークという事なのだろうか。  それに、お嬢様……?、何がなんだか理解の追いつけない私は流血の止まらない頭部を抱えて近くの壁にフラフラと座り込んだ。  ___スッ…  少女が、私と視線を合わせるように屈む。  「今回の君の尽力には心から感謝している、これはちょっとした礼のつもりだよ」  少女の顔が、私の目と鼻の先まで迫り来る。  ___チュ…!  少女の唇、それが私の負傷した額に優しくキスをする。  ___すると、  痛みが引いて、段々と意識がハッキリとしてきた。  「それでは、ワタシはこれで失礼するよ。今夜は朝まで残党狩りで眠れそうになくてね……!」  そう言って彼女は護衛を引き連れ、この場を離れようとする。  ___だけど……!  「待ってください!、名前だけでも!、それに……あなたは何者なんですか!?」  ___ピタッ…!  少女が立ち止まり、こちらへ大変愉快そうに振り向いた。  ___八幡(やはた) まらは………、  「なに…、ただ少しばかり長生きをし過ぎただけの古典的美少女だよ」  彼女、"八幡まらは"と名乗った少女はそんな風に自己紹介を済ませると相変わらずの微笑みを浮かべて私から踵を返した。  ___真夜中、何処かの屋上にて……。  「うわー!、ボス…!、助けて〜ッ!!」  誰かが落下していくが、その声は一瞬で遠く聞こえなくなってしまった。  「おやおや、今なにか聞こえなかったかな…?」  白々しい問いかけ、"八幡まらは"という少女が一人取り残された人物を追い詰めていた。  「くっ……、こんな筈では……!」  「ふふっ、私を殺したいなら異世界にでも転生してチート能力で最初から人生をやり直す事から始めたまえ」  少女が小馬鹿にしたような笑い声を挙げる、その声はどこまでも冷たく残酷であった。  「この…、バケモノが……ッ!!」  ___パンッ…!  眉間に一発、銃弾が少女の額にめり込んだ。しかし、少女は一瞬のフラつきの後に笑ってみせる。  「良い腕前だ。しかし、この私には無意味だ」  周囲から向けられた銃口、男に逃げ場など有りはしない。  そして、少女は男に向かって別れの言葉を呟いた。  「さ、よ、う、な、ら…♪」  ___パンッ…!  ボスと呼ばれた男の胸元に被弾した銃弾。そんなたった一発、男は咄嗟の事に体勢を崩してビルの真下へと落下する。  「うわぁああああああああ……ッッ!!?」  ひとしきり断末魔が鳴り響いた後、少女は背伸びをして自身の肉体を労った。  「ハァ〜…、これでようやく清々した…!」  ___すると、  「ところで、"例の件"なのですが……」  「んっ、あぁ……分かっている」  少女はそう言って微笑みを浮かべた。  ___月日は流れて……、  「おい!、なんでこんな簡単な書類整理も出来んねんだよテメェは!」  「ひぃぃ…!、ごめんなさい!」  ___私、角富洋子(すみとみ ようこ)の人生はあの日の出来事を経ても平凡で、何も変わらない日々を送っています。  「だから、ここはこうせんとイカンって何回も言うたやろッ!」  ___ガチャン……!  突然、事務所の扉が開いた。  「ちょっ待ってやお客さん、今は取り込み中やさかい」  「おっと、という事はタイミングよくワタシが登場できたという事かな?」  「なんやアンタら!、一体どこの組のもんや!?」  ___少女は笑う。  「どこの組…?、そんな小さな組織ではないのだが、まぁ……よしとするか!」  少女と目が合った。  「また会ったね、君とこうして会うのは二度目になるかな」  ___カッカッカッ…!  少女がこちらに歩み寄ってくる、その歩き方には一切の迷いは感じられなかった。  「どうかな、ワタシと君で大仕事をしてみたくはないかな?」  ___スッ  少女から差し出された手。それに対して私は自分自身にとって、その手を取っていいのかどうかが分からなかった。自信が持てなかったのだ。  「まぁ、そう今すぐに決める必要ないけどね」  少女は、私に猶予を与えた。  ___チラリッ…!  私は自分の座っていた机の方を見つめる。  書類の山にペンダコとなったボロボロの手指、安い給料とボーナスという名の無報酬残業の日々が思い返される。  ならば……もし、どちらを選んだとしても私に明るい未来が訪れないのだとしたら…?、もし仮にその先にどちらも最終的に待ち受けているものが暗い暗い真っ暗闇な道のりしかないのだとしたならば……?  ___それならば…、私は……、、、!!!  「是非、私も一緒に働かせて下さい!」  少女の手を握る、思いの外に早かったであろう返事に相手は少しばかり面食らった様子で目を丸くする。だがしかし、すぐにまた普段の余裕ある笑みへと変わった。  「ふふっ、これで契約成立だね」  ___少女は笑う。  この物語は、不死身と謳われる少女と出会った事をキッカケに始まった物語。  そう、これは……この私、角富洋子が思いがけずも踏み出した小さくも大きな一歩を記した物語の序盤劇。  この先、私自身の未来がどうなるかなんて分からない。  ___だけど、私は愚かにも踏み出したのだ。  怪物と呼ばれる少女と共に踏み出した物語、それは未だ完結の見えない私だけの物語である。  ___パンッ…!  急な銃声…!?  「敵襲…ッ!!」  ___へっ……???  「おっと、早速だが手厚い歓迎を受けたようだな」  少女、"八幡まらは"は凄く愉快そうに笑った。私の胸元に押し付けられた護身用の小型拳銃、それは簡単に死へと向かう事の出来る恐ろしい殺人道具。  「安心したまえ、私が付いている」  少女、もとい不死身の怪物はそう言って笑った。  多分、きっと……これから先も私は彼女の身の回りで起きるトラブルに振り回されて苦労するばかりの人生になるのだろう。  ___だけど、まぁ……そんな人生も悪くはないか……。  ……と、私__角富洋子は己の握った銃を高らかに構えた。  これは……、私が踏み出した一歩目の物語。そして、それは私の決意を書き記した始まりを刻んだ物語である。  ___パンッ!  [完。]