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【F-04-42】白雪姫の林檎

林檎は魔女の怒りと呪いによって創られ、白雪姫に一口かじられた後、白雪姫を毒に侵して地面に落ちました。 白雪姫が小人や王子様と共にその場を去った後も、林檎はずっと森に捨てられたままでした。 林檎は孤独になり、白雪姫に深い憎しみを募らせました。 それと同時に林檎は自身が腐り、母なる大地に還るのを待ちました。 しかし魔女の呪いか、白雪姫への憎しみからか、林檎は決して腐ることはありませんでした。 時が経つにつれて、鳥や虫に食べられ、林檎は穴だらけになりました。 しかし、鳥や虫は林檎の毒によって次々と死んでいき、林檎の周りには死体が積み重なるようになりました。 その中で林檎は常に自身の存在について考えるようになりました。 月日は流れ、ある日、乾いて死んでしまった茎が発芽しました。 さらに生気のない葉っぱたちがそこから生えてきました。そしてそれらは毎日成長し続けました。 ある日の午後、林檎はようやく自由に動くことができるようになりました。 林檎は自分のように長い間横たわっていた白雪姫と自分を目覚めさせてくれる王子様のことを思いました。 そして、彼女は『王子様』を探しに旅に出ました。