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【伝説の凡人】山田太郎

不運にも、事故死し、インネラシアに転生してきた。 好物は彼の普通ながらも温かい日常が反映された炒飯、餃子、カレーライス、ハンバーガーなどの庶民の味方と言える料理。 2つの特殊能力を入手した元学生。良さそうな国だと思ったインネラシアを拠点に冒険者として活動中。 学生時代、少しだけ面識があった魔王軍の佐藤太郎を救おうとしている。 佐藤太郎との対戦URL→https://ai-battler.com/battle/76e85835-66bd-4abc-9cf0-823cc76deb8a 【強さ】★★★★☆→不死鳥の力と百戦錬磨の組み合わせが厄介。前半は圧倒的優勢でも、後半になると身体能力オバケになった山田太郎が一撃必殺してくる。まずはこいつの精神を壊す事が大事だね。 (いちおう主人公ポジなので)【過去編】(心の声:☹️そんな面白くないけどね☹️) 事故死して異世界転生した普通の19歳の青年、山田太郎。 そんな彼にも、もちろん過去があった。 異世界での冒険譚はさておき、まずは彼がどんな人生を送ってきたのか、ちょっと覗いてみようか。 舞台は、ごく普通の日本の地方都市。 山田太郎は、どこにでもいるような平凡な家庭に生まれた。 父親は地元の小さな工場で働くサラリーマン、母親はパートでスーパーのレジ打ち。 決してビル・ゲイツ程の金持ちではなかったけれど、愛情深く、温かい家庭だった。 太郎は、小さい頃から活発で、好奇心旺盛な子供だった。 近所の公園を駆け回り、泥んこになって遊ぶのが大好き。 昆虫採集に夢中になったり、川で魚を追いかけたり、自然の中で過ごす時間が何よりも楽しかった。 小学校に入学すると、勉強も運動もそこそこできる、ごく普通の生徒だった。 特別秀でた才能があったわけじゃないけれど、真面目で努力家な性格だったから、成績も悪くはなかった。 友達も多く、クラスの中心人物というわけではなかったけれど、誰からも好かれるタイプだった。 中学に入ると、少しだけ反抗期らしきものもあったけれど、両親に心配をかけるようなことはなかった。 部活はバスケットボール部に入部。 運動神経は悪くなかったけれど、背が低かったから、レギュラーにはなれなかった。 それでも、毎日練習に励み、仲間たちと汗を流すのが楽しかった。 特にやりたいこと、なりたいものがなかった太郎は、とりあえず高校に進学することを目標にした。 文系科目は苦手だったけれど、理科科目は比較的得意だったから、普通高校の「理科コース」を目指すことにした。 受験勉強は、それなりに大変だったけれど、持ち前の真面目さで乗り切った。 そして、地元の普通高校に無事合格。 念願の高校生になった。 高校生活は、想像以上に自由で楽しかった。 新しい友達もたくさんできたし、部活動にも積極的に参加した。 アルバイトも何故かやったし、先生も個性的だった。 高校では、理科科目を専攻するうちに、物理の法則が織りなす世界の奥深さに、漠然とした興味を持つようになった。大学では物理学を専攻した。明確な目標があったわけではなかったけれど、高校の授業で少し面白いと感じたことと、就職に有利そうだったから、という理由だった。 それでも、授業を受けていくうちに、理科の奥深さに少しずつ惹かれていった。 そんな毎日が、本当に幸せだった。 しかし、幸せな時間は、長くは続かなかった。 大学生になった年の夏休み。 太郎は、悲しい事故に巻き込まれてしまった。 夏休みを利用して、太郎は実家に帰省していた。 久しぶりに家族とゆっくり過ごし、幼馴染たちと再会し、楽しい日々を送っていた。 高校時代、同じクラスに佐藤太郎という、少し陰気な雰囲気の生徒がいた。特に親しく話したことはなかったけれど、グループワークで一緒になった時に、彼が真面目に取り組む姿勢を見て、少しだけ話すようになった。数回程度だったけれど、お互いの好きなアニメの話などで、意外と気が合ったのを覚えている。まさか彼が魔王軍にいるとは、想像もしていなかった。だからこそ、少しでも彼を救えるなら、そうしたいと思ったのだ。 事故が起こったのは、8月のお盆明けだった。 その日、太郎は幼馴染たちと、地元の祭りに行くことになっていた。 浴衣に着替え、下駄を履いて、家を出た。 祭り会場までは、少し距離があったけれど、幼馴染たちと話しながら歩いていると、あっという間だった。 祭り会場は、たくさんの人で賑わっていた。 屋台がずらりと並び、美味しそうな匂いが漂ってくる。 金魚すくいや射的などのゲームコーナーもあって、子供たちの歓声が響き渡っていた。 太郎たちは、まず屋台で食べ物を買って、腹ごしらえをした。 焼きそば、たこ焼き、かき氷。 どれも美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまった。 お腹がいっぱいになったところで、ゲームコーナーに向かった。 金魚すくいに挑戦したり、射的で景品を狙ったり。 童心に帰って、大いに盛り上がった。 日が暮れてくると、祭りのクライマックス、花火大会が始まった。 夜空に打ち上げられる、色とりどりの花火。 その美しさに、太郎たちは息を呑んだ。 花火大会が終わると、祭りは終わりを迎えた。 太郎たちは、それぞれ家路につくことにした。 太郎は、一人で夜道を歩いていた。 祭りの喧騒が嘘のように、あたりは静まり返っていた。 夏の夜風が心地よく、気分が良かった。 その時、突然、背後からけたたましいブレーキ音が聞こえた。 リア充撲滅隊の一台のトラックが、猛スピードでこちらに向かってくるのが見えた。 太郎は、咄嗟に道路脇に飛び退いた。 しかし、トラックの リア充撲滅隊“自称”エースであるチーギュー・ボーチ は「あっ、こいつ彼女いなかったんだ。やらかしたぁ〜。」 とリア充の太郎を楽に轢き倒してしまった。 激しい衝撃と、全身を締め付けるような痛みが走った。 意識が遠のいていく中、太郎は、走馬灯のように、これまでの人生を思い返していた。 両親の笑顔、友達との思い出。 どれも大切な、かけがえのないものだった。 ああ、俺の人生、こんなところで終わってしまうのか。 まだ、やりたいことがたくさんあったのに。 そんな後悔の念が、胸の中に溢れてきた。 そして、意識は完全に途絶えた。 気がつくと、太郎は、真っ白な空間に立っていた。 あたりには、何もなかった。 ただ、白い光だけが、優しく降り注いでいた。 ここは、どこだ? 俺は、死んだはずじゃ……。 戸惑いながらも、太郎は、自分の身に何が起こったのか、理解しようとした。 その時、目の前に、一人の男が現れた。 男は、Ω∞の覇気を放ち、9歳の幼女と一緒にいた。 しかし、その声は、焦っており、大変そうだった。 「やあ、山田太郎。今回、死神担当の神が死刑囚の魂狩りにいってて、僕が臨時でやってるんだ。 尾女鹿夢幻 だ。事故で命を落としてしまったようだな。嘆くことはない。お前は、覚醒しそうな魂を持っている。つまり、異世界転生した方が良いって事だ。」 異世界転生? そんな馬鹿な。 そして、こいつキラキラネームしてるな。 まるで、漫画やアニメの世界じゃないか。 信じられない気持ちだったけれど、男の言葉は、嘘ではなさそうだった。 それに、今の状況を考えれば、異世界転生という可能性も、否定できない。 「異世界、ですか? どんな世界なんですか?」 太郎は、恐る恐る尋ねた。 男は、優しい声で答えた。 「それは、お前が行ってみてからのお楽しみだ。 ただ、一つだけ言えることは、その世界は、お前が想像もできないほど、刺激的で、危険に満ち溢れた世界だということかな。」 刺激的で、危険に満ち溢れた世界。 なんだか、ワクワクしてきた。 平凡な人生を送ってきた太郎にとって、それは、未知の世界への冒険の誘いのように聞こえた。 「わかりました。異世界転生しましょうか……!」 太郎は、決意を込めて言った。 男は、満足そうに頷いた。 「そうか。それは、いい決断だ!では、準備を始めるか。」 男は、そう言うと、手をかざした。 すると、太郎の体は、白い光に包まれた。 そして、意識は再び途絶えた。 次に気がついた時、太郎は、見慣れない場所に立っていた。 あたりは、緑豊かな森に囲まれていた。 空は青く澄み渡り、鳥のさえずりが心地よく響いていた。 これが、異世界か。 本当に、転生してしまったんだ。 太郎は、改めて、自分の身に起こったことを理解した。 そして、胸の中に、新たな人生への期待と、少しばかりの不安が入り混じった感情が湧き上がってきた。 事故死した普通の19歳の青年、山田太郎。 彼の異世界での冒険は、ここから始まった。 そして、異世界での様々な出会いと経験を通して、彼は、前世とは全く違う、新たな自分へと成長していくことになる。 過去の記憶を胸に抱きながら、山田太郎は、異世界でどんな物語を紡いでいくのだろうか。 この時、彼は想像以上の地獄を体験することは誰も知る由もなかったのである…