ログイン

【第四世界の超越者】ウェルミヤ·ロストリア

ここは、第四世界。基準世界と同じようで全く違う平行世界の一つだ。  彼女は、「義理堅く、優しい」と評判のとある貴族の家に生まれた。 まだ、魔術は使えなかったが魔力量は多く5歳の時に自ら剣術を学んでいこうとした為、色んな人から期待をされていた。  7歳の時に、基本的な魔術は使える様になってきたが家系魔法である結界魔法は何故か上手く使えなかった、  結界魔法とは自身の魔力を固定させ相手の攻撃を弾き魔法を打ち消す魔法だ。しかし、彼女が魔力を固定させようとすると、一瞬空気が揺らいだかと思った時魔力が霧散してしまうのであった。  それでも、低級〜下位の中級レベルの魔物等には一人で勝てる程には強かった。  10歳の時である。「ウェルミヤが複数人の盗賊集団に襲われた。」と言う情報が入った。彼女の家族はすぐさま自分の軍を率いて森に捜索にでた、 「ヒィィィィ、た、助けてくれぇぇ。」 森に入って30分くらいした所で悲鳴が耳に入ってくる。知らない声だ… 声の方向に行き、目にしたものは信じられない光景だった。 周りには数々の死体が転がっており、生き残りであろう、無精髭を生やしたいかにも悪人っぽい男は膝から下が無くなっており、奥に居る人物から逃げようと無い足を動かし必死だった。 ……奥に居る人物はウェルミヤだ。 「お、おいそこにいる兵士共、誰か 助けてくれ。あ、あいつは化けもんだ!!」  自分達の存在に気付いた男が助けを求める。 彼女の父親は、「我が娘に何を言うか!!」 と言おうとしたが、その言葉が口から出ることはなかった。ただ唖然としていた。 「盗賊ってこんなものなんだ…。最近何かと噂が出回っていたから強いと思ったのに、」 ウェルミヤが続けて言う 「でも、あたしが結界魔法を上手く使えない理由がなんとなくわかったから良いか〜。」 そう言い終わると彼女は、左手を男に向けて、 「じゃあね、最後の盗賊さん。 ……空裂斬。」 と何かを唱える。  すると、男の近くの空気が…いや、空間が揺らぎ、歪み、裂けた瞬間、その狭間に男が吸い込まれた様に見え、気付いた時には、男の上半身は引き千切られた様に消えて無くなっていた。