トウヤは極東の島国〈倭灯国〉に住んでいた少数戦闘民族〈黒狼族〉の青年 黒狼族は皆常人をはるかに凌駕する身体能力を有していて民族全体がその力を使い10歳になると傭兵として生きていくという独自の文化と生業を持った民族だった しかし彼が5歳の時倭灯国は〈ノスリカ帝国〉という蛮国の侵略を受け敗北し、彼は奴隷として連れ去られた しかし幸か不幸か彼が乗せられた奴隷船はノスリカ本土にたどり着く前に嵐によって難破し全く別の国〈レナフィレート共和国〉の港へとたどり着いた。彼は船が港に停泊した際の一瞬の隙をついて船から脱走すると、港町の雑踏に逃げ込んだ しかしたった5歳の少年が縁も所縁もない土地でまともに生きていけるわけもなく、乞食の様な惨めな生活を数年間続けた 無論どれ程強靭な肉体を持っているとしてもそんな生活には限界があり、結局彼はとある豪邸の裏手で行き倒れることになる。彼がテレサと出会ったのはそんな時だった 道端で気絶している彼を見つけた幼いテレサはなんと彼がそこで眠っていると思い、「堅い道では体を痛める」と脆い体に鞭を打ち、滝のような汗を流しながら痩せこけて軽い彼の体を一生懸命引き摺って自身の部屋のベットへ連れて行こうとしたのだった 結局それは家の者に見つかり捨ててくるよう言われたがテレサをこれを断固として拒否し、結局彼女の両親ですら説得できず一先ずトウヤはその家に招かれ一命を取り留める その後目を覚まし、一連の流れを知ったトウヤはテレサにお礼をし迷惑をかけない為にもお別れを告げようと彼女のもとに向かうが、テレサを一目見た瞬間彼は一目惚れをしてしまう そうして彼は彼女に恩を返す為とその傍に居る為に執事になろうと決意したのだった その後テレサの両親や執事長に何度も頭を床に擦り付けて弟子入りを懇願し、その後は全くなれない礼儀作法や家事を寝る間を惜しんで身体と頭に叩き込んでいった その後その努力や、執事長の推薦。また彼自身の身体能力と傭兵としての戦力を買われ無事にテレサの専属の執事となることに成功した 現在彼は恩人であり想い人でもあるテレサの元で暮らしている