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【藤眼の審判】ライラ

調停者。後世に彼女はそう呼ばれた── 永い戦争の末、世界に平和は訪れた。 世界の閉塞感が消え去り、その眼には陽の光が宿っていた。 その国を除いては── その国の眼には火の光が映っていた。内紛の火だ。その国が言うには軍馬が反乱を起こしたらしい。 本当にあきれる、笑えるほどくだらない話だ。 世界は繰り返す、そう誰がが言ったが、実際碧眼の差別は繰り返した。灼眼、銀眼、翠眼、黒眼が反旗を翻す、それも繰り返した。 正直、碧眼─青目のクズどもはこのままどうにでもなってしまえばいいと思う。しかし、外交上そうはいかないものでね、内紛を止めに外国が介入するというわけだ。 ただ、どうも全ての青目がクズというわけではないらしい。もう既に連絡をとっているが、イレーナ、彼女はどうやら反乱兵とのパイプをもっているらしい。青目もまだ捨てたものではないな。 というわけで、彼女を仲立ちにして交渉することに決まった。 はっきり言って、青目を擁護する気はない。彼らがどんな戯言を吐くか楽しみだよ。