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【開花E.G.O:礎の番傘】白院 悠

「僕はずっと甘えていたんだ。 いつも僕の周りには雨風を防いでくれる誰かがいたから。」 「そうだ、今こうして1人になった僕を、守ってくれる誰かはいないだろう。」 「だが、貴女の言う事は間違っている。」 「この手を、伸ばしていけば。ゆっくりとだけど空に伸ばしていけば。いつか僕の手は大きな傘になって、今度は寧ろ…皆を守る事ができるかもしれない。」 「僕はもう"次"なんだ。母さんやみんながやってくれていた事を次は、僕が繋いでゆくんだ。 次の誰かに、次の僕を、守っていくんだ」 「僕は、誰かと僕の居場所を守る傘を…さすんだ…」 ────────────────── 守りたかった者や場所を失い、己の尊厳を賭けた闘いの最中。絶望した彼に突如、"暖かく優しい声"が頭に響く。その声との対話により、自分は生きる責任を放棄し、他者に頼りきって生きていた事を自覚することとなった。 しかし、どれだけ苦しくても、その役割を継ぎ、誰かを護ることこそが自分の運命だと信じ、自分の居場所と誰かを護ることを決めた彼の前に、赤い番傘が現れた。 彼は扉を開いた。前に進む為、誰かを護るために、全てをその番傘で薙ぎ倒して。