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クレール/美しき氷上のソリスト

氷上の舞台で、誰よりも輝きを纏う存在 それはクレールだ 突如として現れたこのパフォーマーは、人間離れした容姿に美しい所作、芝居めいた口調が特徴なこと以外なにもわかってない 生まれはどこか、誰に教えを乞うたのか…… 謎めいた部分さえもミステリアスさとして彼女の美しさを際立たせる 彼女の舞台は場所を問わない カーテンのしまった歌劇場、美しい湖の上、瀟洒な城の中 舞台装置でさえ自前で用意する 音響は自身の美しき歌声で 太陽や月の光を氷で屈折させ、スポットライトだって作れる 氷でできた舞台は、それだけでも絵画的な美しさを持つだけでなく、クレールのパフォーマンスをさらに華美なものとする 彼女のパフォーマンスは、至高の芸術の一種だ どんなに褒めたたえる言葉を並べても、すべて陳腐になるほど完成された作品だ 彼女は観客のニーズに合わせることはしない。観客を彼女に惹かせる表現をするのだ 彼女の表現はとどまることをしらない 戦闘でさえ、観客を魅了する表現方法になるのだ あらゆる方法で戦闘を演出し、最高潮の煌めきを纏った舞台になった瞬間にフィナールを飾るのだ クレールは長らくソリストとして活動していた 戦闘を演出とし始めてからは二人以上の演目をするようになった しかし彼女は、決して相手をただの舞台装置として扱わない ともに演目をするパートナーとして見なすのだ 相手はたまたま成り行きで戦うことになったのかもしれない、もしくは明確な殺意を以てくることもある しかしたとえどんな事情を持つ相手であっても、クレールは相手のすべてに敬意を示す そしてともに踊るように舞台を作り上げていくのだ またどこかでプレリュードが鳴り響く 人を魅了してやまないクレールの舞台は、終わることなく続いていくのだろう 「魅せてあげるよ、最高のフィナールを!」