彼女の名前のモチーフとなった「福寿草」の花言葉 「永遠の幸福」 を最悪の形で再現することになる。 下記は彼女が【幸福の使者】へ君臨するまでのお話 彼女の呪いは人を助けることができても、人を守り抜く力がなかったようだ。 大切な人が無力な自分を庇って死亡し、仲間から怒号と暴力の嵐を受け、大切な人を死なせてしまったため村民に裏切り者同然の扱いをされ、ひたすらと自分の無力さを噛みしめるばかりだ。 「泣きたいのはこっちだよ。俺たちの思いも考えずに」 「前から思ってたんだ。君は必要のない存在だって」 「こんな能力で世界を平和にするだなんて、リーダーは何を考えていたのかしら」 「「「このやくたたずが」」」 庇わせたことを理由として、仲間は彼女を役立たずと評し、仲間は座り込む彼女を見捨てて去っていった。彼女は返答をすることもできず、心にはぽっかりと穴が開いた感覚がした。 「役立たず…それでも…誰かを…幸せにできるって…信じてここまで…」 そんな仕打ちを受けてもなお皆の幸せを願い続けるのだが、心身ともに大きく疲弊した彼女は、もはや空を見上げる力すら残っていない。 『皆を幸せにする方法を教えよう』 「あなたは…!?」 そんな中、何者かが語りかけてきた。彼女にある「癒しの呪い」だ。呪いは彼女に「皆をシアワセにする方法」を伝えた。精神が疲弊していたために判断力を失っていた彼女はそれを承諾。 「こんな私でも…もっと誰かの役に立ちたい…もっと”みんなを幸せ”に…」 『その言葉を待っていた』 「…!?」 その瞬間、彼女は自分の大切な「何か」が破壊された事を感じ取った。それと呼応するように、彼女の瞳にも大きな亀裂が走る。彼女の精神はやがて呪いに飲み込まれ、崩壊を始めた。 「あれ…何かが…壊れた?…私は…」 『ようやく目的が達成された』 『これで彼女は私の傀儡だ』 呪いの狙いとは、絶望の状況を作り出すことで精神の主導権を奪い、彼女を呪いの傀儡として使い世界を蹂躙することである。 呪いの効果で自分の無力さを味合わせ、大きな絶望を与えた上で“大きな決心”をさせることが目的だったようだが、彼女の精神力ではここまで絶望させない限りは操ることができなかったようである。しかし、その精神から想定以上の強大な力を手にしたのである。 大切な「何か」を失い、「皆をシアワセにする」事を遂行するに相応しい力を手に入れた彼女は、禍々しいオーラを纏い笑顔で呟いた。 「これで私は人の役に立つことができる」 「みんなの望むシアワセな世界のために」 「私はもう迷わない」