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【私、魔法少女になりました!】魔法少女?:櫛村アリス

 私、櫛村アリスは魔法少女です。この一年間ずっと迫り来る怪人達と戦ってて普通の高校生活を送れてないです。  「ねぇアリス、怪人が現れたよー」  今は授業中、私のカバンに隠れていたフラワーが私に話しかけてくる。  「今は無理、授業中だよ」  「君がそう言っている内に犠牲者が一人、二人……あっ、今ので三人目になったよ」  「分かったわよ…!、先生っ!」  アリスは手を挙げる、顔を赤らめながらも高らかに手を挙げる。  「何ですかアリスさん?」  「ち、ちょっとトイレに……行ってきます……」  頬が熱い、真っ赤になった頬を押さえてアリスは教室を飛び出した。目指すは怪人、魔法少女として成敗する為にアリスは駆け出した。  ここは商店街、怪人が電柱を切断する。  「ザーニガニガニ!、このザリガーニ様に切れぬ物は無いのだぁぁ!」  「魔法少女ハナ!、参上ッ!」  周囲から歓声が上がる、アリスはこの一年ですっかり街の有名人となっていた。  「ハナだ!」  「ハナちゃんよ!」  「ハナ〜!、頑張れ〜!!」  アリスは魔法少女として、ハナとして怪人の前に立ち塞がる。歓声を背に、敵を見据える。  「なんだ女!、このハサミが見えんのか?」  ザリガーニは巨大な鋏をアリスに向ける、しかし動じる事は決してない。  「このハサミで貴様を真っ二つに切り……ッ!?」  ザリガーニの腹を穿つ拳、アリスは冷静に敵を殴り続ける。  「私!、早く戻らないといけないんです!」  「グエッ!、このザリガーニ様が押されているだと!?」  ザリガーニの鋏がアリスを捕える、しかし魔法少女の強靭な肉体を切断する事は出来なかった。  「何ッ!?、このザリガーニ様のハサミで切れないだと!」  「ちょっ、痛いってば!」  アリスはザリガーニの顔面を殴りつけて鋏の拘束から脱出する。時間がない、ここは一気に決着をつける!  「チェリーボンバーッ!!」  アリスの両手から放たれた魔法がザリガーニを吹き飛ばす、堪らずザリガーニは爆散したのであった。  「よし、早く帰っ……」  走り去ろうとした瞬間、背後から鋏が伸びてアリスを捕える。  「えっ!?」  「ザーニガニガニ!、さっき倒したのは脱皮したこのザリガーニ様の抜け殻だったのだ!」  更に強く鋏が締まる、アリスは痛みに悶える。  しかし___、  「ザーニガニガニ!、もはやこのザリガーニ様の勝利は確実……んっ?」  「アハハハッ!!」  笑った、嫌に歯を立てて笑ったのだ。ザリガーニに振り向く目、狂気を帯びる。アリスはザリガーニの鋏に触れる。  ___バキッ……!!  鋏が砕けた、魔法少女が解き放たれたのだ。ザリガーニは冷や汗をかき、魔法少女から一歩退く。  「いいですね!、もっと奥の手があるんですよね!、ねぇもっと私に見せて下さいよ!、あなたの全てを私に見せて下さい!、ねぇ?ねぇ?ねぇ!」  「なっ、この……」  ザリガーニに迫り来る魔法少女、爛々と輝く瞳が獲物を前にした獣のように嬉々として笑う。  バトルジャンキー、この一年で染みついた数多くの怪人達との戦いの記憶がアリスの心を躍らせる。それは魔法少女になった影響からか、はたまた彼女の本質であったのかは分からない。  アリスは自分自身の胸に触れる、魔法の心が彼女の感情に呼応して武器を授けた。それは鎌だった、命を刈り取る大鎌がザリガーニに迫る。  一閃、ザリガーニの胴体が大きく切り裂かれて爆散する。魔法少女は少し味気ない様子で武器を下ろす、すると周囲からは再び歓声の声が上がる。  「魔法少女ばんざ〜い!」  「きゃーハナちゃん!、かっこ可愛い!」  「さすがは魔法少女!」  アリスは冷静になった、少し照れ笑いをしながらその場を後にする。  「はぁ、またやっちゃった〜〜〜!」  その日の夜、アリスは家の自室で悶絶していた。机の植木鉢におさまったフラワーはアリスに話しかけてくる。  「今日はお楽しみでしたね…」  「んぅ〜〜〜!!」  アリスは枕に顔をうずめた、今さら思い返すと恥ずかしくて仕方ない。絶対、皆んなに変人だと思われた。  「も、もう魔法少女は引退!、私は引退します!」  「えー、せっかく活躍して有名人になれたのに?」  「えーと、それはそのー」  「ところで、怪人が新たに現れたみたいだけどどうする?、もう引退?」  その言葉にアリスの動きが止まる、そして……  「さ、最後!、最後にもう一回だけ……」  魔法少女と怪人の戦いは、まだまだ続いていく。 [完。] https://ai-battler.com/battle/806a1d26-ba78-4a99-b952-de1310005828