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どこか儚げな美少女 Ver37

 俺の自室、そのベッドの上に山田 詩(やまだ うた)は静かにその細い腰を下ろした。一方、俺の方は適当にその辺の床に胡座をかいていた。  なんか気まずい雰囲気を打破すべく、俺から口を開く。  「でっ、結局お前に何があったんだ?」  我が妹に問いた、目の前にいる打倒者へと問いたのだ。その以前に比べて薄く小さくなってしまった肉体、その理由を山田風太郎という男は知らなかった。だから……、だからこそ先に聞いておかなければならないと、そんな確信を胸に秘めて聞いたのである。  「ふふっ…、いきなり踏み込んだ質問をするのですね?、まさか私の幼体に興味を持たれるとは、さすがは私のお兄ちゃんです。」  打倒者は、そう言うと自身の薄っぺらい胸部に手先を軽く置いて揶揄うように兄と称した男に対してクスクスと笑う。フウタローは、慌てながらも否定を口にする。  「いやいや!、絶対に違うからな!、……というか!、いつまで妹のフリしてるつもりだよ!?」  「むぅ…、何事も雰囲気が大事なんですよ♡」  「待て!、その語尾のハートマークはやめろ!」  「へっ♡、まさか私のハートが見えているのですか♡」  「ハートを増やすな!」  「こんなのも出来ますよ(^-^)b」  「うおっ!、なんかいる!」  「人間とは愚かです。> (^Д^)9m」  「急にどうしたんだよ…!?」  「……というのは冗談で、ここから先は真面目に話を始めましょう。ᕦ(ò_óˇ)ᕤ」  「本気で言ってる?」  「はい!、この私の正直な目を見てください٩( ᐛ )و」  「くそ、信用できねぇ……」  「なんと!、実の妹を疑うのですか(O_O)」  「というか、実の妹ではないだろッ!」  「ひどい、お兄ちゃんの馬鹿!、もう知らない。゚(゚´Д`゚)゚。」  「いや……、すまん、なんか俺の方も悪かったから、早く機嫌を直してくれ」  「ふふん、仕方ありませんね(΄◉◞౪◟◉`)」  「うおっ!?、顔文字コワッ!!」  「分身も出来ますよ?  ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ  」  「もはや何でもありだな( ̄▽ ̄;)」  ___んっ!?∑(゚Д゚)  「なんか、俺の語尾が侵食されてる!Σ( ̄。 ̄ノ)ノ」  「ようやく気づきましたか、既にあなたも私の術中なのですよo(^▽^)o」  「なぬッ!?、マジかよΣ(-᷅_-᷄๑)」  ___これさ…、元に戻れるんだよな(・・?)  「ちなみに、私も戻し方は分からないですಠ_ಠ」  「へっ……??(´⊙ω⊙`)?」  「なので、一生このままですƪ(˘⌣˘)ʃ」  「マジかよ……( ͡° ͜ʖ ͡°)」  「まぁ、嘘なんですけどね。」  「いや、嘘かい…!」  「すみません、なんだか反応が面白くって…!」  ___とりあえず、ようやく元に戻れたな( ̄▽ ̄;)  ___んっ….!? Σ('◉⌓◉’)  ___あれ……?(´・ω・`)  ___なんか、残ってる((((;゚Д゚)))))))  ___打倒者は呟いた。    「……と、まぁ冗談はさておき、ここからは真面目な話を致しましょう。」  真剣な面持ち、打倒者の視線がフウタローの姿を視界におさめる。  「あなたは……、フウタローは私をどう思いますか?」  「なんだよ急に?」  「___答えて下さい。」  「いや、なんて言うか……最初に会った時に比べて怖くはないかな…?」  「……そうですか、やはり___」  「何だよ?、それがどうかし……」  「私は…、本当はもう"打倒者"などではありません。」  そう、山田詩は呟いた。  「おそらく、貴方は"あの出来事"を覚えていないのだろうと私は予想しています。しかし、私は覚えています……。私の身に起こった、その全てを私は覚えているのです。」  山田詩という少女、フウタローへと片腕を伸ばす。  「私は…、一度あなたを殺しました。それは確かな事であり、この先も揺らぐ事のない事実です。それでも貴方は、こんな私をまだ信じてくれますか?」  フウタローの額へと伸びた手、その指先は震えていた。しかし、先程に少女は確固たる瞳で眼前の男に問いたのだ。  返答を待つ……、  長い沈黙______、  さらに、少女は口早に言葉を呟く…….。  「信じてもらえなくても構いません、ですがこれだけは……!」  男は少女の言葉を手で遮った、そして少女と目線を合わせるように片膝をつき、その瞳をしっかり見つめて答えた。  「大丈夫、何度だって俺はお前を信じるさ。それに、"二度ある事は三度ある"って言葉があるだろ?、だからさ、この先に何が待ってても俺は少しも驚かないよ」  そう言って少女の伸ばした手を優しく取り、己の額に照準を合わせた。  「貴方という人は……。いえ…ありがとう、ございます……。」  ___ビシッ  これで三度目だ、俺の額に爆ぜた衝撃、少女のデコピンが山田風太郎という男の額で快音を響かせた。  「私も、貴方を信じています。フウタロー___」  視界が歪む、視点が定まらない。暗転に呑まれた目線の先、俺は溢れた情報の荒波に揉まれて自己を失った。  何かの光、フウタローの瞳を眩しく照らす___! https://ai-battler.com/character/4967e9fb-d4cf-4448-8df2-033c876f4173