ログイン

デューク(幼少期)

1950年、壁の向こうのビルが見下ろす、スラム街のハイアーグラウンドでデュークは誕生した 黒人のデュークはその時代の黒人差別に苦しみ、生まれて間もなく両親が離婚&失明していて厳しい生活を送るしかなかった 薄汚れた壁に囲まれて育っていたが、母親はデュークに十分な愛情と優しさを注いだ そしてデュークはそれに応えるかのように、掌に五つの増減する痣があった、その痣は愛情を与えるか優しくされたら増え、デュークかデュークの[守りたい人]の身に危険が及ぼうとするとその痣が一つ消え、デュークとその[守りたい人]を守る だが目が見えないデュークは自身の能力に気づいていなかった デュークはいつものお気に入りの散歩道を歩き、母を連れまわす。 「ねえ、お母さんにも夢があるの?自分はね~、目が治ることかなぁ~、いつもの散歩道がもっと楽しくなるじゃん!」 デュークは無邪気に笑う、母もつられて一緒に笑う 「デューク、いつか広い海を見てみたいわね。それがお母さんの夢」 デュークは答える。 「僕が必ず連れて行くよ、ママ。海はきっと、一番綺麗で安らかなんだから」 二人の影を追う闇、その視線はデュークに向けられていた、まるで兵器でも見るように ハイアーグラウンド全体を覆う大きな闇、ギャング組織/通称パスタイムパラダイスの闇がそこにはあった、パスタイムパラダイスは金の話なら殺人・ヤク・拷問とにかくなんでもする極悪非道のギャング組織だ そして今、その組織がデュークに目を光らしている、デュークの能力があればどんなことだってしてもいい、いったら当て馬だ。 だが何回も誘拐や危害を加えようとしても、その能力で全てが無に帰す、だから無能力者である母親を殺害し、デュークの心を破壊して、そのまま組へと強制加入させる、そんな作戦が実行されようとしていた デュークはいつもどうりに母と散歩中、そこに後ろから唐突に銃声の音が響く 「なんの音だろ~?」とデュークが首を傾げる。火薬の焼ける匂いと、空気を切り裂く鋭い風切り音。それは彼に向かって放たれた弾丸だったが、掌の痣が一つ静かに消えるとともに、弾道はありえない角度で逸れていった 「ここから、逃げるわよ!」 母がデュークの腕掴み、路地裏に逃げ込んだが、そこにはパスタイムパラダイスの組員が待ち受けていた 「馬鹿めが!引っ掛かったな」 路地裏で包囲された時、デュークはまだ事態を理解していなかった 銃声が響くたび、デュークの掌の痣が一つ、また一つと消えていく。弾丸が曲がり、ナイフが折れる。それは彼を守る[トラベリングマン]の発動だった だが、敵の狙いは彼自身ではなく、彼を庇う「守りのない者」だった 「デューク、逃げて……!」 最後の弾丸が放たれたとき、デュークを守る痣はもう残っていなかった 温かい飛沫がデュークの頬を濡らす。それが母の血だと悟った瞬間、世界から音が消えた 崩れ落ちる母。デュークの叫びが夜を裂く 死にゆく母は、震える手で息子の頬を撫でた 「愛してるわ、デューク。あなたは……どうか逃げて……」 その瞬間、痣が消えていたはずの掌に、かつてないほど巨大な六つ目の新しい痣が浮かび上がる。母が最後に遺した、命懸けの愛情 「これでお前も遂に終わりだな、神に見放されたと思え」 そう言って組員が近づいてくる デュークに[守りたい人]がいない今、デュークは元の力を取り戻す、母を守りたい気持ちで得た能力と引き換えに失った能力だ 「心の詩」 デュークがそう唱えた直後、路地裏全体が瞬時に深い海になる 「なんだこれ!?息ができねぇ、助けてくれ!」 そこは炎がない地獄、真っ暗で身動きひとつとれない そして狂暴な魚が群がり、自身を捕食する 1分が経過すると組員は骨さえも残らず死んでいた 「夢が叶ったよ……お母さん…」 なぜか母の周りには魚が来ない、これは最後の[奇跡]だったに違いなかった デュークは心の詩を解除する 母の遺体はまだ体温があるように感じた、だが着実になくなる体温を前に、デュークの目からは[奇跡]が無くなっていた 語彙がないな~ こういうの初めて書いたから許して著