至上を目指せ。お前にはその才能がある。 その言葉は私を戒めた。 由緒正しき屋敷に産まれた私は自由がなかった。 趣味嗜好、着る服、食事、進む道や好きな人まで。 不愉快だった。気に食わなかった。 でもそれしか許してくれなかった。 日常の中でも、寝ていても私は未来を憎んだ。 お祖父様は不思議な人だった。 何時も不思議なお面を被っていた。 趣味だと言って大昔の刀や鎧を飾っていた。 どうやって持ってきたのかは知らないが、私が持てるような重さじゃなかった。 お祖父様が亡くなった時にこの武具の事を思い出した。 部屋には入るとあの仮面があった。 お祖父様と一緒に火葬したはずのものが。 仮面はまるで私に話しかけるようにカタカタと揺れた。 抗えない謎の魅力があった。 そして被ってしまった。 それに呼応するように、刀が、鎧が揺れた。 すると、私の体に異常が起きた。 華奢で細い体が細く柔軟さを失くさぬまま強靭に。 背が伸び鎧に合うように。 力が無限にわいてくる。 何でもできる。 そんなことを思った 仮面はそんな私の思考に答えるように熱を帯びた。 だから私は好きに生きる。 ねぇ、お父様。今ならお父様が言っていた至上?だったっけ? できるよ! 何でもできるようになったんだから! 少女は殺戮の道に迷い混む。 お祖父様は本当に正気だったのか。 全ては仮面の仕組んだことなのかも知れない。 般若とは嫉妬そのものなのだから。