「俺はな、何でも自分のものにしたいわけじゃねえ。盗めるって証明できりゃ、それでいい」 「では、なぜ捨てたのですか?」 「持ってると重いからな。それに――」 カイトは崩れた天井を見上げた。上から市場の人々の怒鳴り声が聞こえる。賞金稼ぎたちは瓦礫に埋まり、商人たちは商品を拾い、逃げ遅れた客たちが地下通路へ流れ込んでくる。 「ここで戦い続けたら、商品も客も全部壊れる。俺は盗賊だから、壊すより盗む方が好きなんだよ」