【勇者よりも英雄に】 たとえ世界の敵になろうとも、いつからか私はこう考えるようになった 幼き頃、私は父上と母上、そして使用人2人の計5人で小さな屋敷で暮らしていた。 父上はとある国の管轄を管理する仕事をしていた用でよく外に出ていた。そのせいか幼き頃の私は父上と遊ぶという事はあまり出来ず小さな屋敷の中で遊ぶことが多かった。 使用人と遊び、母上と遊び、父上が帰ってきた日は父上と遊び、と何不自由のない生活をしていた。 ただ、そんな生活は長くはなかった 私が12の歳を迎えた日、父上は仕事を早く終わらせ帰ってきた、私の誕生日を祝ってくれた。 母上は1人の使用人と共にケーキを作ってくれ、もう1人の使用人は父上と共にプレゼントを私にくれた。 箱に入った当時の私から見たら大きな本、今も大切に使っている本が入っていたのだ。 私はもう嬉しくて嬉しくて父上や母上、使用人の2人に抱きついたりしてお礼を言っていた。今考えるとあの日が最も嬉しい日だったかもしれない。 その日の夜、私は布団に入り眠りにつこうとした時にあの悪夢は起こった。どこぞのバカが神を怒らせたのだ。 爆発音が鳴り響き神は街を蹂躙する。私の屋敷にも被害は出たが屋根が吹き飛ぶ程度だった。父上は使用人と被害を抑えるために動き、母上は私の近くで守ってくれていた。 そして蹂躙を終えた神は最後に雨を残していった。生き物全てを石化させる呪いの雨。 父上達は私を護るように動いたが屋根のない屋敷では雨はしのげない。恐怖で動けない私を護るように父上達は屋根となった。 私は父上達に辞めるように言ったがその頃には既に石になっていた。私は泣くことしか出来なかった。 父上達を失い泣きじゃくる私を拾ってくれたのは無名の冒険者だった。 彼は私に様々な事を教えてくれた。剣術や格闘術、その中でも私は魔法に惹かれたのだ。 これなら父上達を戻せるかもしれない。と私は思い冒険者の人から離れたのだ。 解呪のために様々な事を学んだが覚える魔法は解呪とは程遠い封印術。これでは父上達を戻せない。 しかし諦めなかった。私は力を付け解呪の力を追い求めた。 村を助け、街を助け、国を助け、気付けば魔法の頂き近くまで来ていた。 見つからぬ解呪に焦りを覚え、私は世界中の文献を集める図書館を作った。 最初は上手くいかなかったが軌道に乗り動き出したその時、奴はまた出てきやがった。あの日全てを変えた忌々しき神。 私は極めた魔法を使い神に挑んだ。 放たれた魔法を撃ち落とし、隙をついては攻撃を差し込む、周囲や図書館を護りながらゲスト(神)の接待 長い戦いの中、魔力は尽きかけ何度も精神が折れかけた。呪いの雨は絶望でココロを支配しようとしてきた。 磨り減るココロの中、司書補の声と父上や母上、使用人達の事を考え折れずに立ち向かい、ついに忌々しき神を封印することが出来た。 だが神は『神に仇なす神罰だ…』と言い残し置き土産に大厄災を残して封印された。 触れた物の時間を無まで巻き戻す霧【廻霧】 全てを塵にする止まることの無い嵐【塵嵐】 そしてあの日、全てを奪った石化の雨【永雨】 死に体に鞭打って能力をフル活動させ、魔力は空になって気を失いかけたが、文字通り命を削って大厄災も封印することに成功した。 ここまでが今までの私だ。私は見つけてみせる、父上達を呪いから解き放つために、もう一度家族で一緒になる為になんだってしてみせる。 例え世界が敵になろうとも、私は前に進み続けてやるさ…… その志し故に解き放ちし力は見つからない 受けたものを他者に分け与えることが出来ればその力はきっと…… ちなみに身体能力が低く、仕事を投げ出して冒険に出ようとしたが、年下の女性司書補に物理的に止められ床に叩きつけられてたりする。