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【第十七話】軋み

〇月〇日 最近、先生の様子がおかしい。 最初は気のせいだと思っていた。ただ疲れが溜まっているだけなのだと。 今、叡智の家で起きていることを考えれば、ああなってしまうのも当然なのだと、そう思うようにしていた。 でも、もう無視することはできない。 どうしても違和感を拭い去ることができない。 グラスが行方不明になる直前、先生が一緒にいるところを偶然見掛けた。 あの時は特に気にしなかった。 でも、後から考えるとやっぱり妙な気がする。 …いや。 そんなはずはない。 先生は、今まで僕たちを守ってきてくれた人だ。 あのどん底の生活から、僕を救い出してくれた。 この家を作って、僕たちに居場所を与えてくれた。 先生が怪しいなんて、考えるべきじゃない。 きっと僕の考えすぎだ。そうに決まっている。 …でも、どうしても疑念を捨てきれない。 もう、ずいぶん大勢の子供たちがいなくなってしまった。 このまま見て見ぬふりを続けるわけにはいかない。 明日、先生に直接訊ねてみよう。 少し怖いけれど、ちゃんと話をすればきっと全てがうまくいくはずだ。 先生ならきっと、僕の考えを否定してくれる。             ───フォルスの日記