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ゲドウ丸の動機

私は、自分が最強であることを知っている。 疑いようのない、絶対の確信として。 力など関係ない。 勝利の積み重ねでも、誰かの証明でもない。 ただ、最初からそうだった。 それが、私の真実だ。 だから、この世界は耐えがたい。 すべてが私を中心に回り、 私の行動が意味を生み、 私の存在が秩序を定める。 それは支配ではない。 ただの、逃げ場のない現実だ。 私は勝つ。 誰もそれを疑わない。 疑われぬ勝利ほど、空虚なものはない。 世界は私に抗うふりをする。 だが、心の底では、私が止まらぬことを望んでいる。 「止められなかった」と、言い訳するためだけに。 だから私は、魍魎を率いた。 破壊のためではない。 恐怖のためでもない。 世界に、私を否定する機会を与えるためだ。 私を止めろ。 理屈ではなく、純粋な意志で。 策ではなく、圧倒的な力で。 信仰や運命ではなく、ただの選択で。 それすらできない世界なら、 その世界は、私が存在する価値すら証明できない。 私は神になりたいわけではない。 神として崇められることに、意味などない。 理解され、定義され、管理される存在になるくらいなら、 いっそ、完全な悪で構わない。 だが―― それさえも、私自身が否定したい。 私を超えるものが現れるなら、 私は喜んで滅びよう。 それがこの世界の答えなら、受け入れる。 だが、もし現れないなら。 この世界が、私を超えられぬまま終わるなら。 その時は、 私自身が、この世界の間違いだったということだ。 だから私は進む。 止まらない。 支配も、救済も、どちらでもいい。 ただ一つ、確かなことがある。 ――私を否定できない世界に、存在する資格はない。