☆リンク表の下にSSもあるので長いです☆ ※時系列セリア表 【幽賊】https://ai-battler.com/battle/69fbced4-15d4-4132-a75b-7d6378b3a71c 【風隠】https://ai-battler.com/battle/961a88f3-3ea0-4f70-9fd6-2125c381f929 【風舞】https://ai-battler.com/battle/48080638-da6b-4b4d-9383-8b38828c19ca 【風閃】https://ai-battler.com/battle/48080638-da6b-4b4d-9383-8b38828c19ca 【風幻】今ここ! ※番外編セリア 【甘味】https://ai-battler.com/battle/609c3e09-f7c6-4897-a236-25ca06a2de3f 【祭典】https://ai-battler.com/battle/0fe525c6-910c-4123-9ba8-455df05f4350 【不在】https://ai-battler.com/battle/667f4a20-1613-4a00-ac6c-1f376ae9648f 【真夏】https://ai-battler.com/battle/fbc71486-d68c-4421-b06f-686f44df8d9f 【製菓】https://ai-battler.com/battle/aa254920-57bf-45bb-aaa5-459ea68ba423 【無情】https://ai-battler.com/battle/af3987f4-94bc-46c6-854d-47530f4285a8 【風詠】https://ai-battler.com/battle/da97d579-b005-449b-81dc-e2f396033078 【癒風】https://ai-battler.com/battle/49fb18dc-2f59-4baf-8884-e5527bb8ba6e 夕刻、魔導学校の庭園は柔らかな風に包まれていた。落ち着いた雰囲気の中、セリア・ソーズドは一人、ベンチに腰掛けていた。翡翠色の瞳は揺れる木々を映しながら、深く思索に沈んでいる。 「……来たか。」 低く穏やかな声が響いた。セリアは顔を上げる。そこに立っていたのは、葬送のローブを纏う一人の女性――グレンダーラ・ヴァシー。茶髪をなびかせ、赤い瞳でセリアを見つめていた。 「話があるんでしょう?」 セリアは静かに口を開いた。 「はい……グレンダーラさんに、相談したいことがあって。」 グレンダーラは微かに頷き、セリアの隣に腰を下ろした。彼女の気配は穏やかでありながらも、どこか重い。長年、影の世界で生きてきた者特有の威圧感があった。 「私は……特殊部隊に入るつもりでした。ずっと、そう考えていました。でも……」 言葉を詰まらせる。グレンダーラは無言のまま待っていた。 「……私は騎士団に入ろうと思っています。」 静寂が訪れた。風がそよぎ、落ち葉が足元を舞う。グレンダーラはゆっくりと目を閉じ、しばらく考えていたようだったが、やがて口を開いた。 「理由を聞こう。」 セリアは息を呑んだ。特殊部隊に進むことは、彼女にとって当然の道だった。スラム出身の自分に表舞台は似合わない。暗闇に生き、影となって国を支える方が性に合っている……そう思っていた。しかし―― 「……私がやりたいことは、本当に影で戦うことなのか分からなくなったんです。」 翡翠色の瞳が揺れる。 「私は、ずっとスラムで盗みをして生きてきました。人の目に映らず、気配を消し、ただ生き延びるために……。でも、ライカンさんやグレンダーラさんに出会って、そして魔導学校に来て、私は変わった。」 自分を受け入れてくれた仲間。親友のマリー・シルバライト。初めて知った温かい生活。 「もう、私は隠れたくないんです。大切な人たちを、この手で守りたい。」 そう言うと、グレンダーラはゆっくりと目を開けた。赤い瞳が真っ直ぐにセリアを見つめる。 「……騎士団で、お前の力は活かせると思うのか?」 「……はい。」 迷いはなかった。 グレンダーラは短く息を吐くと、ふっと微笑んだ。 「ならば、それでいい。」 その言葉に、セリアの肩の力が抜けた。グレンダーラが反対すると思っていたのだ。 「……意外ですね。止めるかと思いました。」 「私の役目は、お前の道を選ぶことではない。ただ、お前に一つだけ言っておく。」 グレンダーラは静かに立ち上がった。その表情は穏やかだが、瞳には鋭い光が宿っていた。 「騎士団に入るということは、正義を貫く覚悟を持てということだ。影ではなく、光の下で戦う以上、お前は多くの人に見られることになる。その中には、お前を慕う者もいれば、憎む者もいるだろう。どんなに正しい選択をしたつもりでも、責められることもある。」 「……分かっています。」 「本当に?」 グレンダーラは一歩、セリアに近づいた。その威圧感に、セリアは思わず背筋を伸ばす。 「影に生きる者は、割り切れる。だが、表に立つ者は、決してそうではない。私たちは、時に非情になれる。だが、お前は違う。お前が選んだ道は、心を揺さぶられる場面が幾度も訪れる。」 グレンダーラの声は穏やかだった。しかし、それがどれほど重い意味を持つか、セリアには痛いほど分かった。 それでも―― 「私は、光の中で戦いたいんです。」 セリアは、まっすぐにグレンダーラを見た。 「影に隠れて生きることは、もうしません。私は騎士として、人々を守るために戦います。」 グレンダーラは静かにセリアを見つめたまま、そして微かに微笑んだ。 「――ならば、お前の決意を信じよう。」 その言葉に、セリアは大きく息を吐いた。胸が軽くなる。 「ありがとう……ございます。」 グレンダーラは何も言わず、夜風を受けながらその場を去っていく。セリアは彼女の背を見送りながら、拳を握った。 この選択が、正しいかどうかは分からない。だが、彼女は決めたのだ。 もう、自分を隠さない。光の下で、生きる。 これが、彼女の決意だった。 ☆スラム街の盗賊だった頃 https://ai-battle.alphabrend.com/battle/69fbced4-15d4-4132-a75b-7d6378b3a71c ☆魔導学校に入学できた頃 https://ai-battle.alphabrend.com/battle/961a88f3-3ea0-4f70-9fd6-2125c381f929 ☆学生を満喫していた頃 https://ai-battle.alphabrend.com/battle/609c3e09-f7c6-4897-a236-25ca06a2de3f ☆魔導学校で成長した頃 https://ai-battle.alphabrend.com/battle/09baabcd-2481-44ea-8a19-90f72ac1f031 ☆魔導学校学園祭を楽しむ頃 https://ai-battle.alphabrend.com/battle/0fe525c6-910c-4123-9ba8-455df05f4350