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【ビンテージレーサー】ゾヴァ・コールマン

以下、彼女の過去です。 グロいので注意してください。 詳細詰めるのむっず。 ゾヴァはもともと、 ある王宮に仕える召使いの1人だった。 彼女の外見は、率直に言って美人だ。 それが主因かは分からないが、 彼女は同じ宮仕えの、 調薬師に惚れられていた。 この調薬師は、元々国の外にいたのを、 呼ばれてやってきた腕利きの者である。 この国の王には世継ぎがいないのだが、 それを家臣に嗜められた際、 「では我が不死となればいいだろう!」 と王が激昂し、その流れで 彼が呼ばれたのだ。 調薬師は、彼女に特別な 贈り物をしたかったのだろう。 あろうことか王へと送るはずの 不死の妙薬を、彼女へ飲ませた。 調薬師は嬉々として彼女にそのことを 伝えたが、彼女は聞いた途端に、 顔面を蒼白とさせ、 なんてことをしたのだと、 彼を拒絶した。 その様子に呆然とした調薬師は、 彼女の言葉を理解するや 顔を真っ赤にし、 口汚く罵ってその場を去った。 可愛さ余ってとは言うが、 その好例だろう。 彼女に対する調薬師の怨みは激しく、 彼は感情のままに、 ゾヴァという召使いが妙薬を盗んだと、 王にそう告げた。 そこからが地獄の始まりだった。 まず前提として、不死の妙薬とは 当時にしても 存在の怪しいものであった。 例の調薬師についても、腕は良いが 本当にそんなものを作れるのか、 と怪しまれていた。 そんな折、他ならぬ彼自身から 「召使いの女が飲んだ」という報せが 来たのである。 ことの運びは当然、 「では薬を飲んだという  女を殺し、効果を確かめよう。」 という流れになった。 不死の薬を飲んで5日後には、 彼女の処刑が決まった。 娯楽のない時代、処刑とは 一大のエンターテイメントであった。 それも、不死を確かめる処刑である。 多くの民衆が押し寄せ、 瞬く間に処刑場は、 やれ不死の女とはどんな奴だ、 王宮で盗みを働くやつはどんな面だ、 などと人がごったがえした。 彼女の処刑方法は、斬首刑。 処刑斧による首刎ねである。 本来であれば絞首刑が適用されたが、 今回は証明のため、 一度死を分かりやすく 見せる必要があり、これが選ばれた。 彼女の首にヒヤリとした刃が当てられる。 布告官が罪状を読み上げる中、 彼女は思考の海に沈んでいた。 ___なぜ、こんなことに。 彼女の胸中はそれでいっぱいだった。 不死だの何だのと周りは騒ぐが、 こちとら面倒くさい男から 手料理を是非にと勧められて 食べただけだった。 身体に変化があったとは到底思えない。 不死。本当にそうなのか。 もし違ったら、もし違ったら。 彼女はただ死ぬだけだ。 やや間があって、 首に置かれた刃の感覚が消えた。 ゆっくりと、斧が上段に構えられる。 あれほど騒がしかった民衆が、 今や水を打ったように静まり返っていた。 ついに振り下ろされた斧が。 『ダンッ』 …彼女の首を落とした。 視界が回り、重力に従って落下する。 地面への激突。 咄嗟に手を出そうとするが、 首だけとなった彼女には不可能だった。 出血により意識を失うまでの数秒間、 彼女は自分を見つめる民衆と 目が合った。 …死んだ。 おい、死んだぞ。 やっぱり、でたらめだったって… 俄かに騒がしくなっていた民衆が、 ぴたりと、その声を鎮める。 今し方落ちた彼女の首。 その首が動いている。 ぞる。ぐちゃっくぴっ。 ぐりゅっこちゃ、めごっ… 肉が蠢き、骨が鳴り、 落ちた首を核として、肉体が生えた。 それは僅か数秒で完了した。 完全に肉体を修復した彼女は、 一つ呻くと、意識を取り戻す。 ___私は…確か、処刑場にいて… それから、どうしたんだったか。 思い出そうとする彼女に、 周囲の視線が突き刺さった。 自分がどうかしたのかと、 彼女は自身を見る。 全裸だった。 急いで隠すべきところを隠し、 羞恥を誤魔化そうと、 先ほどから背に当たる熱いものは何だと 後ろを向く。 それは血液だった。 切断され、首のない自分の死体。 そこからとめどなく溢れる血液が、 自身を濡らしていた。 不死。 そう、彼女は不死だった。 それから数日の間、 彼女は処刑され続け、 国中にその身の不死を証明した。 証明を終えたのちは 牢に押し込められる予定であったが、 調薬師が彼女を被験体に 用いると言い出したことで、 そのようにはならなかった。 「一生を牢の中で  つまらなく生きるはずだった貴様を、  己は助けてやったのだぞ?」 調薬師がやたら尊大に そう宣っていたのを、 彼女はよく覚えている。 従わなければ牢に逆戻りだし、 罰もありうるし。 そんな思いで、彼女は 自身の仇とも言える 調薬師に従っていた。 「そこに寝ろ。」 くい、と調薬師が 顎でしゃくった先には、 大きなベッドがあった。 彼女は調薬師の仕事について 詳しいわけではない。 だが、今まで見た彼の人間性から、 不信感を拭う事はできなかった。 だが結局、 ふう、と一つ息をつき、 彼女は要求に従う。 まだ何かされたわけでもない。 これで暴れて間違いだったら、 罰を受けるだけ… そうゴチャゴチャと考える彼女の、 服がまくられた。 素肌を撫で付ける手は ゆったりとしているが、 それでも奥に潜めた欲望が 隠しきれていない。 調薬師は彼女に拒絶されようと、 結局は彼女を諦めきれていなかった。 ギラギラと輝いた目が、 彼女を見つめている。 逃げようともがき始めた 彼女を嘲笑って、 調薬師は自身の欲を解放しようとする。 __バカなやつだ。   今頃気づいても遅い。   あの時なら、   もう少し優しくしてやったのだが。 処刑の際、 何の抵抗もなく殺されていた彼女を、 彼は舐め腐っていた。 木板の枷が、 調薬師の顔面にぶちあたる。 彼は鼻血を出しながら倒れ、 何が起こったかわからない風であった。 っ……はっ、はっ、はっ…! 乱れた呼吸音が響く。 こいつは、だめだ。 ここで、おわらせなければ。 私は、こいつにいずれ… べくっ、がす、ごき。 ゾヴァは恐怖のまま、 調薬師をめったうちにした。 秘薬を作るためだと言い訳して、 情事に洒落込もうと人払いしていたのが 仇となった。 調薬師を助けるものは誰もおらず、 彼女が平静を取り戻した頃には、 彼はすでに息絶えていた。 それから、1日も立たず。 調薬師の死を聞いて、王は激怒した。 本物の不死の妙薬が手に入る機会を 潰されたのだ。当然だろう。 新たな妙薬は未完成。 材料はあったが、誰も作り方を知らない。 完成品はもはや何処にも__ …いや。あった。 完成品は確かにあったぞ。 三日三晩悩み続けた王は、 ある結論に達する。 「不死の妙薬を  取り込んだ女を食べれば、  不死になれるのではないか?」 である。 思い立ったが吉日とばかりに、 王は王宮の調理師たちに 彼女を調理することを命じた。 調理師たちの多くは 嫌々彼女の調理に取り組み、 (中には笑顔でつまみ食い する猛者もいた) 彼女は色々な料理として 王宮の食卓に並ぶこととなった。 …炙り焼き、シチュー、 パイにハッシュド。 自身の名案に気を良くした王は 彼女も卓に呼びつけた。 死にかけては再生し、 また死にかけては再生し。 最悪な一日を過ごした彼女は、 恨みがましく王を睨みながら、 この時間が過ぎるのをただ待っていた。 やがて食宴が始まる。 王宮の料理は贅沢に香辛料を使っており、 見た目も香りも非常に美味しそうだ。 彼女の身分なら 一生味わえなかったであろう、 貴族の料理である。 これが自身の肉でできたものでなければ、 彼女は純粋に楽しめていただろうに。 じっと肉を見つめる彼女に、 「食わないのか?」 王がそう問いかける。 こう聞かれては、 もはや逃げ道はないだろう。 「…いえ。いただきます。」 彼女は覚悟して一口目を口にした。 …美味かった。 まあ結局肉は肉だし、 味付けもしっかりされているのだから 当然と言えば当然だろう。 彼女は終始微妙な顔をして、 この食宴を乗り切った。 翌日、つまみ食いをしていたものが 処刑された。 王への不敬を理由にしていたが、 目的は食した者が不死を 得られているかの調査だろう。 食った量の差で結果が分かれては いけないため、 ゾヴァは朝一番で首を落とされ、 罪人の最後の晩餐として 自身の肉体を提供することとなった。 処刑されたものはそのまま死んだ。 不死は得られていなかった。 王宮ではこれについて 様々な憶測が飛び交ったが、 中でも最もらしいのは 「彼女が治るのは頭からなのだから、  頭を食べねば意味がないのでは?」 と言うものだった。 そのような噂が沸いて出ると、 “では頭を食べてみよう" 王は気軽にそう言った。 調理師たちは再び、 彼女の調理に挑むこととなる。 肉体の調理は簡単に済んだが、 頭の方はそうもいかなかった。 なぜなら、再生がとても早い。 首を落とせば数秒で戻る。 二つに割れば片側を残して再生するが、 「再生の核を食べる」 ことが目的の今回において それでは意味がない。 最終的に、 細切れにして煮込み、 急いで飲むという結論に達した。 王の前に、熱々のスープが配膳される。 はふ、はふ、ずず…ごくり。 この日まで王は、 冷めた食事しか食べたことがなかった。 毒味や儀式、配膳などに時間がかかって いたからだ。 食物の温度が腹に沁みる。 それが心地よい。 すぐに食べ切った王は、 にこやかな笑顔でうまいと言った。 席から立ち上がった王。 彼はふらつき、床に手をついた。 腹が張っている。 僅かな量しか食べていないのに? 嫌な予感がした、 と同時に王の腹が大きく膨れ上がる。 びん、ごん、と肋骨が弾けて折れる音が 響き、王宮内は悲鳴に包まれた。 再生を果たしたゾヴァは 王の腹を切開して取り出される。 内側から内臓を圧迫された王は、 助かるはずもなかった。 裁判、 有罪、 死刑。 死刑できないので投獄な。 一連の流れは極めてスムーズだった。 王殺しの罪を背負わされた彼女は、 速やかに地下牢へと投獄された。 世継ぎのいない王が死んだため、 外はてんやわんやである。 不老不死の彼女には食事は必要ない。 時が経つにつれ監視もなくなり、 国が崩壊する頃には 完全に忘れ去られていた。 やがて牢は崩れ、 その後およそ800年の間 彼女は土砂に埋まっていた。 彼女が人として活動していたのは、 牢に入る以前の20年と、 ここ100年の間のみである。 調査隊が発掘を行わなければ、 彼女は今も土の下だっただろう。 彼女は調査隊の その外見と「発掘された不死の人類」 という話題性を活かして モデルとして働いていたが、 すでに辞めている。 彼女がヘルメットを被らないのは、 不死であるために 怪我へ気を使う必要がないのと、 頭に装着する圧迫感が 大嫌いだからである。 まだ書ききれてないので いずれ詳細詰める。