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【原点輪廻】オーバーリンカーネーション

〜リンカーネーション〜 182億年前… その文明は現代とそっくりな派閥、言語、文明、都市、宗教だった。 「私、大きくなったら神さまになりたいの!」 とある1人の少女はちょっとヤンチャだったが、とても良い子であり、とても美しく、街中の人々からは口を揃えて「宇宙一の美少女」と言っていた。 そんなある日、突然終焉が訪れた。それまで普通だった太陽が、突如として膨張を始めた。その膨張速度は凄まじく、膨張からわずか1分で水星は太陽の餌食になってしまった。このままではいずれ、地球も太陽の餌食になってしまうのではないかと。人類は最新技術のロケットを使って地球から脱出し、太陽から遠ざかったが、不運だったか太陽フレアによりロケットはあっという間に消し炭になってしまった。少女も例外なく… 「ここはどこ?」 少女は知らない地で目覚めた。白い花や銀色の空。少女は死んだと直感的に思った。 「なんで…私は不幸だったの?」 少女は泣き崩れ、一日中、泣いた。しかし、泣いたところで何も無い。何も…無い… 「あれ?これは?」 少女は一つの本を見つけた。 宇宙は輪廻を繰り返している。 宇宙は138億年周期でビックバンを繰り返しており、この周期を「ビックバンサイクル」と言う。生命の誕生も輪廻の中に組み込まれたプロセスである。輪廻を止められる者はビックバンサイクルの中のたった1人だけ。神々の娯楽としてこの宇宙が作られたと言うビックバンサイクル138回目の説もある。しかし、輪廻を止めることは人格を失うことであり、次の輪廻を始める者となる。また、輪廻を知った者は輪廻の神の遣いとなる。これが、天使の正体である。天使は決められた運命までの残り時間が少ない人に近づいては、その人の命を取り、輪廻に還すという。 これで、この本を読んだ何処かの「お前」も輪廻のことを知ってしまった。 少女は絶望した。これ程までに神々が残酷なのか、天使が何なのか、全て分かった。…分かったが、これを知ってしまった以上、自分も天使になるかもしれないという恐怖に勝てなかった。 「私は…終わる前に…終わらせる…」 その後、少女がどうなったのかは知らない。輪廻に還されたのか、自ら終わらせたのか、誰も知る術がない。何故なら、もうすぐビックバンサイクルが終わり、新たなビックバンサイクルが始まるのだから。 「輪廻の神は無慈悲。と思う人がいるが、その人は典型的な輪廻を阻害する者であり、輪廻の神を信仰する人もまた、輪廻を阻害する者である。私は天使のため、輪廻を阻害する者ではない。本当に一番の阻害者は、輪廻の神を止める者。もし私に打ち勝てたら、次は打ち勝った者が輪廻の神の遣いになる。こうして、輪廻は永遠に続く。」 「プロフィールを見ているんでしょ?」 「なんで気づいているのかって?」 「だって輪廻の神の遣いはなんでも出来て当然だから、自分で自分のプロフィールを見れなかったらそれは輪廻の神の遣いじゃないじゃん。」 「同じだと思ってた?オリジナルだと思っていたものはクローンだったって話。そう、私こそが最初に輪廻の犠牲になった者。輪廻の神?そんなもの輪廻を阻害する者に過ぎない。あいつは私の存在も自分を輪廻の頂点だと考えているけど実際は最弱の輪廻だからね。そうそう、ハイドマンって奴、私に向けて失望したってほざいていたけど実際h…」 「なんか言ったか?いつでもお前を消すことは出来る。それだけは忘れるな。」 「はい…すみません…」